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「え！？知り合いなの！？その問題児達と！」
「そ、そう……、お友達、です」
「そんな奴らが友達って、君どういう交友関係築いてるのさ」
「そ、それは、私もよく分からない、かな……」
部活が終わって後片付けをきちんと済ませ、例のごとく清水先輩と別れた後に、山口くんと月島くんとバッタリ鉢合わせた。そのまま校門へ進もうとした私に、山口くんが、
「他の二人って今どこにいるか分かる？」
と質問してきた為、そこまで案内することになったのだ。
どうせ私も影山くんと一緒に帰ることになるので、丁度いいと言えば丁度いい。特に何の問題もないと二人を先導した。
その中で彼ら二人のことを「知っている」と答えたので、上記のような言葉が私に飛んできたのだった。山口くん達からしたら、こんな三つ編み眼鏡の地味な女が、そんな問題児達と知り合いであることがとてつもなく衝撃的だったのだろう。すまし顔をしていた月島くんまで目を丸くしていた。
「いい人なんだけど、ちょっと、なんというか……ま、周りが見えなくなる、らしくて……」
「それを馬鹿って言うんじゃないの」
「ちょ、ツッキー」
「い、言わないであげて……、一応、彼らも必死だから……」
ちなみに彼等からは敬語を外してくれと言われたので、タメ口で会話させてもらっている。月島くんはてっきり私のことを嫌いになったのかと思ったのだが、こうして変わらずに会話をしてくれているので、その心配は無かったようだった。
ただ、部活で「可愛い」と言ったことだけは謝罪しろと言われた。勿論私も余計な争いは産みたくないので、すぐに謝った。月島くんは割と根に持つタイプのようだ、と脳内にきちんと記憶した。
「あ、あそこの……」
「うん？あー、なんかボール飛んでるね」
じっと目をこらさないと見えないくらい遠くで、オレンジ頭がぴょんぴょんと跳ねていた。こっち側へは来たことが無かったので、間違っているのではないかとヒヤヒヤしながら来たのだが、間違いなかった。気づかれないようにほっと胸を撫で下ろした。
「あ……は、話があるなら、私、ここで待ってるから……」
どうぞお先に、と手を出すと、月島くんは嫌な笑顔を浮かべた。今からいじめに行きます、というようなにっこりとした笑顔で、思わず背筋が凍りそうだった。
「ありがと」
「う、うん……喧嘩は、しないでね？」
彼は私を上から見下ろして、「僕はしないよ」と言った。
雰囲気が危なくなったら止めよう、と静かに決意した。
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作者名：ReG | 作成日時：2022年1月26日 4時
