赤薔薇の皇后【男主】 (ページ4)

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出発してから11時間後。ぼくたちは無事に日本に着陸した。飛行機から出れば、たちまち日本の報道陣がぼくたちを取り囲む。ノアやミヒャに一言ほしいらしい。そんな暇ないのに。

そうマイクを向けてくる報道陣をノアは無視し、ロビーに向かった。それに続いてぼくたちも逃げるように早足で追いかけた。

「お待ちしておりました」

ロビーに入ると赤髪の女性が立って待っていた。

通訳によると彼女は〝青い監獄(ブルーロック)〟のマネージャーなんだとか。ノアと彼女の会話を遠くから聞いていると、ミヒャが軽くお尻を揉んできたから叩いた。もう、見られたらどうするの。

そう目線で訴えてかければ、今度は髪を弄り始めた。

「ネス、待ってるの飽きた〜」

「まあまあ。もう少しで話が終わるそうですよ」

「ちょ、ミヒャ……擽ったいよ」

すると、いつの間にか頸にちゅっちゅっとわざと音を立ててキスを落としてくるミヒャに、恥ずかしくてやめるように言う。

ネスに助けを求めたが、先程まで隣にいたのにゲスナーたちの所にいてた。まるで楽しんでと言わんばかりの悪い顔。2人っきりの時じゃやだなのに！すると目の前に大きな影が現れる。

おそるおそる上を見上げると、ノアがこちらを見ていた。

「イチャつくならヨソでやれ」

「はいはい」

「ミヒャのばか！また怒られたじゃん！」

そう胸板をぽこぽこ叩けば、「悪かった」と眉を八の字にし、ぼくの頬にキスして、頭をわしゃわしゃと撫でてきた。

今回だけだからね。そう背伸びしてミヒャにお返しとして頬にキスをした。そしてミヒャの大きな指を絡め、恋人繋ぎをした。

「クソ可愛いな〜Aは！」

「んふふ、ミヒャはカッコいいね」

「イチャつくなって言っただろ」

そう言うノアにむっとしていると、ネスがやってきた。

「カイザー。A。日本からの支給品」

「なんだそれは」

「超性能小型同時通訳イヤホンです」

なんでも設定した言語に瞬時に変換してくれる代物らしい。しかもスポンサーが〝御影コーポレーション〟だとか。付けてみたら、意味不明な日本語が綺麗なドイツ語に変換してくれる。

「すごい！全部ドイツ語だ！」

「さすが〝御影コーポレーション〟ですね」

「はしゃいでいるAがクソ可愛い……」

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