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初めて乃木坂46を応援している人たちに新メンバーとして顔をみせる。


いろんなお仕事をしてきたけど、ここまで緊張するのは初めてかもしれない。あの頃はまだ緊張というものを知らなかっただけなのかもしれないけど。





「あ、始まった?」





お礼配信。SHOWROOM審査の順位は最下位だった。ほとんどやってないし顔出してないんだから当たり前だ。







「エントリーナンバー2番だった、小川Aです。三期生オーディション合格しました」






視聴者数がどんどん増えてく。コメントは「え、あの小川Aちゃん?!」とか「小川ちゃんだ」で溢れてる。






「高校2年生16歳です。東京都出身の一人っ子です」






「SHOWROOM全然やってないのに合格したんだーって思ったら元子役かww乃木坂も終わり」こんなコメントも目立つ。


しょうがない。だって子役してたもん。私が物心着く前に決まった話だからどうしようもなかったんだ。






「これから頑張っていくので応援していただけると嬉しいです」





「なんか初々しさがない」「コネだよね?」きっと温かいコメントもあるのに、冷たいコメントばかりが目に止まってしまう。

わかってたはずなのに。覚悟してたはずなのに。私の覚悟なんて甘かった。





「SHOWROOM審査、全然配信できなくてごめんなさい。これから人一倍頑張るのでよろしくお願いします」






私が喋るほど視聴者数とコメントが増えていく。横にいるスタッフさんが険しい表情をするほどアンチコメントが目立つ。






「髪染めてる?ってコメントが見えたんですけど、これ地毛なんです。茶色いですよね」






やっと見つけたキツくない言葉。それに返すのが精一杯。






「あ、時間になっちゃったみたいなので終わります。これからよろしくお願いします」






スマホの画面を触って配信を終えたら、疲れがどっときた。





「あの、すみません。私なんかが合格しちゃったせいで」



スタッフ「いやあなた悪くないよ」




配信が終わって泣くとかよりも申し訳ない気持ちが勝ってしまった。もちろんめちゃめちゃ苦しい。
子役の頃は親とマネージャーさんがsnsを見せさないようにしてくれたから、自分の耳に入る酷いコメントはほとんどなかった。


でもたった5分の配信でこんなにもボロクソに言われてしまった。これから活動していくのに、どれだけのアンチがついてくるんだろう。








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作者名:yurima | 作成日時:2024年2月6日 23時

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