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しかも私の役風俗で働くって書いてある。
「乃木坂的に大丈夫なんですか?この役柄というか、」
今野「一応ここまでしかダメですっていうのを結構厳しめに決めさせてもらった。それでも小川がいいって言うから」
「なるほど。さっきから思ってたんですけどもうOK出してません?」
今野「うん」
「うんって、」
私が演技のお仕事する気はないです。選びます。って言ったらどうするつもりだったんだ、
プリンシパルはやったけど、あれはなんというか特殊な舞台だし、演技というものを3年もやってない私には大きすぎる仕事だ。
今野「でもこっちはまだ検討中って返してる。ていうのも、結構大きな役作りが必要で」
「役作り?」
今野「ベリーショート」
「でかいですね」
今、髪の毛は胸下ぐらいまである。ていうか小さい頃から長い髪の毛がトレードマークみたいなものだった。小さい頃はママがドライヤーして綺麗にしてくれた髪の毛。
今野「流石に勝手にOKして印象の強い髪の毛を切らさせるのはアレだから」
「やりたいです。わたし」
今野「え、?」
「いつか切りたいなぁって思ってたし。一月期ならまだ切らなくていいですよね」
今野「11月終わりぐらいに切ることになると思う。真面目に考えてるか?」
「真面目です。いつまでもあの頃から変わらない小川Aなのよくないです」
ロングヘアはいつまでも私を大きくなった小川Aちゃんにする。
だったら、いっそ切ってしまえばいい。
小川Aが乃木坂に入ったらしいぞって言われる逃げ水期間が終わって、落ち着いた時に切っちゃえば違う人みたいになれる。
今野「確かにイメチェンにはなるけど」
「それにゴールデン帯の主演とか、断ったら乃木坂にとって勿体無いです。」
今野「そんなにやる気なら引き受けるぞ」
まだ乃木坂にいる自分を肯定することはできないけど、誰かを演じることで、いろんなお仕事をすることで、乃木坂が帰る場所になるかもしれない。
そもそもせっかく来たお仕事を選べるほど偉くない。
「あ、メンバーには自分の口から言うので、言わないでください」
今野「了解」
9月10月が映画の撮影、11月に東京ドーム、12月からドラマの撮影。考えたらクラクラする。
とりあえずあと5ヶ月ぐらいのロングヘアを楽しもう。
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作者名:yurima | 作成日時:2024年2月6日 23時