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選ばれてしまった。
桃子とダブルセンター。記者会見も、三番目の風も、思い出ファーストも、表題曲の選抜も。もう誰も興味を持ってくれない気がする。あの2人はもう飽きたって言われてしまう気がする。
与田とかしーちゃんとか美月の3人の方がみんなから好かれてるのに。
進学のこともどうするかまだ相談中なのに。
飛鳥「顔怖いよ」
なんのオーラも出さずに私と西野さんの間に来て、私のほっぺたを無理やり上げてくる。
気づいたらぐるぐると自問してる間に収録は終わってしまって、先輩方はおしゃべりしてた。
きっとこれは飛鳥さん独自の心配の仕方をしてくれてるんだと思う。
「ちょっと参っちゃいます」
飛鳥「そんなこと言うの珍しいね」
4月から握手会に参加させてもらって、いろんな言葉を貰った。
子役の頃から大好きですと言ってくれたお姉さんもいた。
お見立て会のマネキンで推し始めたと言ってくれたお兄さんもいた。
ぶっちゃけコネなの？と言ってきたお兄さんも、そろそろ3期センターからどいてよと言ってきたお兄さんも、子役やってた割に歌もダンスも下手だよねと言ってきたお姉さんもいる。
応援してくれてる人がいるんだ、という自信になる前に目の前の人に否定されてしまう自分が嫌になる。
ステージの上や握手会では演技で精一杯アイドルを演じるけど、精神的にはやられてしまう。
元々の知名度があるからのポジションなんだろうな、いつまで私と桃子はセンターにいるんだろう、歌もダンスも私より上手な子がいるのに、って私が一番思ってる。初めましての人にそんなこと言われる前からわかってる。
なんでこんな所に来てしまったんだろうと分からなくなってしまう。
大好きなマネージャーさんのためだったのに、そんな自分勝手な理由で来ちゃいけない所だった。
「もうっ、きついです」
隣にいた西野さんと、反対側にいた桃子と白石さんの視線が一気にこっちに向いたのがわかった。
ほとんどのメンバーさんとバナナマンさんもいるのに、
言葉にしてしまった弱い気持ちは涙を止まらなくしてくる。
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作者名：yurima | 作成日時：2024年2月6日 23時
