20_mizuki side ページ20
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桃子が自分の位置に立って、最後の1人が発表される。
ナレ「続いて4番、センター小川A」
バナナマンさんが小川かーと反応するのと同時にAがゆっくりと立ち上がった。
やっぱり動揺したりしないんだ。
設楽「小川は動じないね!どう今の気持ちは?」
「やっぱり不安もあるんですけど、選んでいただいたからには、先輩方が築き上げてきたものを壊さず、新しい風を添えられるように頑張りたいです」
いつものAを知ってるから、少し言葉に詰まってるように見えるけど、きっとファンの方から見たら平常心の小川Aだ。というかAはいつでも落ち着いてる。ステージの上で感情が乱れてる姿を見たことがない。
バナナマンさんの横に立って自分のポジションを見つめるAは悔しいくらいに綺麗。
設楽「なんか、これまでここで泣いてる人はたくさんいたけど、ここまでシャンとしてる人は珍しいね」
日村「ほんとに!なんか抱え込んじゃダメだよ。周りの先輩を頼んなよ」
「はい」
日村「小川と大園のダブルセンターって面白いね」
設楽「確かに。でも三期はこれまでもこのダブルセンターなんだもんな」
三期生が加入した瞬間から、私たちはあの不思議なダブルセンターを軸に活動している。あまりにも正反対な2人だけど、何故か2人が真ん中に立った時にこれだって思ってしまう自分がいるのも事実。
これまで一緒に頑張ってきた三期生の中から乃木坂のセンターというのが誕生したのはすごく誇らしいはずなのに、白石さんの横で不安そうに立ってる桃子とバナナマンさんの横でしゃんと立ってるAが遠くなってしまうような、自分が選ばれなかったことの悔しさのような、マイナスの気持ちが強くなってしまってる。もはやそんな自分すら悔しい。
「大園と力を合わせて頑張っていきます」
そういって自分のポジションに立ったA。先輩方の黒い靴下の中でダブルセンター2人の白い靴下が一際目立ってる。
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作者名:yurima | 作成日時:2024年2月6日 23時