59.残酷な光景 ページ10
うちの店きっての美魔女と言われる藤さん。
そのプロポーションは、ルパンに出てくる不二子ちゃん並みで
何の因果か、ご本人の名前まで似ているという。
今だって、その浴衣の胸元からは羨ましいくらいの谷間が
チラチラと見え隠れしている。
「店長、いいわね〜。藤さんと一緒に過ごすんでしょ？」
「朝まで一緒だったりして〜あはは！」
は？
朝まで・・？
ってか、何でこんなことになってるの？
いつの間にかユノの腕に自分の腕をするりと絡ませる藤さん。
腹の立つことに、それを拒否するどころか
ユノは照れ笑いを浮かべていた。
藤「店長、私がゆっくりとお相手させて頂きますね♪」
YH「あはは。なんかすごく照れますね〜これ」
藤「もう〜赤くなっちゃって。可愛いんだから♪私の前でだけ
ハニバニやってくれないかな〜」
YH「う〜ん。考えておきますね〜なんて。あははっ」
嘘つき。
1等の相手が私だって知ってたから、花ちゃんの計画にも
乗っかったんでしょ？
それなのに、今私の目の前にはぴったり身体をくっつける藤さんと
その美貌に鼻の下が伸びきっているユノの姿が。
このまま二人で何をするの？
ハニバニやるなんて冗談だよね？
本当に朝まで過ごすつもり・・・なの？
藤「じゃあ、宴会もそろそろお開きだと思うので
私達も行きましょうか〜」
二人を邪魔しちゃいけないってルールだっけ・・。
私以外の人たちは、大盛り上がりしているけど
なんかもう・・見ていられない。
この場にいるのが本当に辛くて、そっとみんなの輪から離れると
一人静かに鶴の間を後にした。
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作者名：ぽぽ | 作成日時：2014年11月26日 2時
