うさゆの。【秋の特別編2】 (ページ7)

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56.花ちゃんの想いページ7

花「だから～他の人が引くことはあり得ないって言ってるんです」

A「よく意味が分からないんだけど。何のためにそんな八百長を・・」

花「Aさんのためですよ」

A「私？」

花「本当は店長と一緒に居たいくせに、みんなの目を気にして
二人っきりの時間が作れないでいるでしょ？」

A「だって、それは・・・」

花「言いたいことは分かります。これはプライベートな旅行じゃないから
一緒にいられなくても仕方ないって、そう思ってるんですよね？」

A「・・・うん」

花「だからこそ、堂々と二人でいても文句言われないように
さっきの1等があるんじゃないですかぁ」

A「花ちゃん・・」

花「せっかくこんな素敵なロケーションなのに
カップルが一緒にいられないなんて残念すぎますって」

A「ユノがOKしたのって・・」

花「もちろん相手がAさんだからに決まってるでしょ！
誰が当たるか分からなかったら、了承なんかしてませんって(笑)」

花ちゃんったら、こんな面倒なことをしてまで
私たちが過ごせる時間を作ろうとしてくれたの？

花「ほら、しょぼくれてる時間はありませんよ。
もうそろそろ、くじ引き始めますからね」

A「うん・・」

花「も～心配しないで下さいって！Aさんは順番が来たら普通に
くじを引くだけでいいんですから。後は、こっちにお任せ下さい♪」

A「分かった・・」

花「ふふっ♪今夜、楽しみですね～～」

ご立派な”つけま”でパチッとウィンクする花ちゃん。

一方、何も知らないうさゆの会のメンバーたちは
自分が1等を引くんじゃないかと、さっきから大騒ぎだ。

はぁ・・。

なんだかみんなに申し訳ないな。

完全に出来レースなのに、私のために付き合わされてるってことでしょ？

花ちゃんの気持ちは嬉しいけど、こんな風に騙してまで
することなのかな・・。

今か今かと待ちわびるみんなの顔を見ながら
どうにもこうにも釈然としない気持ちだけが心に残った。