うさゆの。【秋の特別編2】 (ページ50)

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97.ユノの決断ページ50

A「せっかく指輪をくれたけど、これじゃどうにもできないね・・」

むくむくとした毛に覆われる小さな手を見ながら
何とはなしに呟く。

すると・・・。

YH「常識に囚われるからそう思うんだよ。チェーンに通して
首に下げればいいだろ？オシャレな首輪感覚でさぁ(笑)」

A「なるほど・・」

YH「宝石を付けてるウサギなんて、なかなかいないよ？
A、超セレブウサギじゃん！」

A「そ、そう・・？」

きっと私が落ち込まないように、わざと明るくこんな話を
してくれてるんだろうね。

ユノだって、本当は相当不安なはず。

結婚する相手がウサギだなんて・・そんなこと誰にも言えやしないもの。

YH「そんな顔しないの」

A「えっ・・」

YH「僕には分かるんだからね・・ウサギの喜怒哀楽が。
普通の人から見たら、表情の違いなんて分からないかもしれないけど」

A「・・・」

YH「僕と一緒になるって返事をしたものの
不安に押し潰されそうなんだろ？」

A「うん・・」

YH「ねぇ、もし戻る方法が見つからなかったら・・」

A「？」

YH「僕がまたピョン吉になるよ。そしたらAの不安、全部なくなる？」

A「何を言って・・」

YH「僕が人間で、Aがウサギだから色々不安なんだろ？
だったら、僕もうさぎの湯に浸かってピョン吉になれば・・」

私が恐れていたことを、ついにユノが口にした。

とは言いつつも、実は心のどこかで期待していた言葉。

でも・・。

ユノがピョン吉になってくれたら、私たちは本当に幸せになれるの？

A「ダメ！それだけは絶対にやらないで！！」

それは違う気がする。

そう思ったら、大きな声で叫ばずにはいられなかった。