うさゆの。【秋の特別編2】 (ページ42)

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89.ズキズキと痛むのはページ42

YH「戻れないだなんて、そんなのまだ分からないだろ？
キュヒョンのやつが色々と調べて・・」

A「調べても何も見つからなかったら？
私、一生ウサギのままなんだよ？！」

怖さと不安と苛立ちと・・。

色んな気持ちがぐちゃぐちゃになって
ついそれをユノにぶつけてしまう。

YH「可能性はゼロじゃないだろ？そうやって決めつけるのは
Aの悪い癖だ」

A「そうだね。私みたいなのは、かえってこのままの方が
いいのかもね！」

YH「なんだよ・・それ」

A「どうせ人間に戻ったって、私、悪い所ばっかりだし
ユノに迷惑かけてるでしょ？それだったら、いっそ・・」

YH「悪い所ばかりだなんて言ってないだろ？
何でそんな風に言うかな・・はぁ」

ユノが大きなため息をついた。

ケンカなんかしたい訳じゃないのに・・。

思うようにいかない体と自分の気持ちがコントロールできなくて
出てくる言葉もとげとげしいものばかり。

私たちの間に重苦しい沈黙が流れた。

YH「A・・どこ行くの？」

なんだか居づらくなって、ベッドから降りようと端っこに移動。

ところが、うまく跳べずに足を滑らせ
下に転がり落ちてしまった。

YH「あっ！A！！」

A「うぅ・・痛いよぉ・・」

YH「まだウサギの体に慣れてないのに、こんな高い所から
降りようとするからだよ！どこぶつけた？ここか？」

ユノが慌てて私を拾い上げ、膝の上に乗せてくれた。

温かい手が優しく私の身体に触れ、そんなことが余計に
私の胸を切なくさせる。

A「っく・・うぅっ・・」

YH「どこが痛いの？泣かないで教えてよ・・」

A「胸が・・痛いの」

YH「胸？思いっきりぶつけた？？」

A「違う・・。心が締め付けられて
どうしようもなく苦しいの・・」

YH「・・・」

私の言葉を聞いて、悲しそうな表情を浮かべるユノ。

それから少しして、急に私を抱えて立ち上がると
何も言わずに、どこかに向かい歩き始めた。