88.すれ違う気持ち ページ41
CM「ヒョン、何かあったらすぐ言って下さいね。
時間とか気にしなくていいですから」
YH「ありがと。チャンミナ・・」
A「チャンミンくん、ごめんね・・。
こんなことに巻き込んで・・」
CM「Aさんは悪くないよ。だから謝らないで。
悪いのは、ここの変な温泉なんだから」
A「桜子さんにも心配かけちゃったね・・」
CM「さっきは突然のことで動揺してたみたいだけど・・。
あいつ、結構肝が据わってるから大丈夫ですよ(笑)ちゃんと説明しておきますから」
A「うん・・」
CM「じゃあ、僕はこっちの部屋なので。
とりあえず、おやすみなさい」
YH「おやすみ」
A「チャンミンくんとユノの部屋、隣同士だったんだね」
YH「うん。偶然か・・それとも、あいつの仕業か・・」
A「？」
YH「早く入ろう」
部屋に入ると、すぐさま私をベッドに下ろしてくれた。
視界が今までと全く違うから、すごく変な感じ。
何もかもが大きくて、それに怖い・・。
小さな音でもすぐ耳に入ってくるから
自然と体がピクついてしまう。
YH「どう？ウサギになってみて」
A「どうって・・」
YH「僕がピョン吉だった時の気持ちが分かる？」
A「・・・」
YH「怖いよね・・色んなことが。自分では一生懸命叫んでいるのに
周りにはプゥとかブゥとか、そんな風にしか伝わらない」
A「うん・・」
YH「小さな子どもでさえも、僕には恐怖の対象でしかなくて
何かされるんじゃないかってビクビクしてた。でもね、そんな時に現れた
優しい人間のおかげで、僕は救われたんだよ」
A「それって、私・・」
YH「そう。Aが僕を迎え入れてくれたから
安心して生活することができたんだ」
A「でも・・」
YH「ん？」
A「ユノは、いずれ人間になれるって分かってたからいいじゃん。
私なんて、戻れるかどうかすら分からないもの・・」
せっかくユノが優しい言葉をかけてくれてるのに
今の私には、それを素直に受け入れるだけの心の余裕がない。
焦る一方の私に対し、このタイミングで感謝の気持ちを伝えてくるユノが
どうも呑気に思えてしまって。
そんな状況が、余計に私を苛立たせた。
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作者名：ぽぽ | 作成日時：2014年11月26日 2時
