うさゆの。【秋の特別編2】 (ページ40)

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87.「私」という存在ページ40

YH「まさか、こいつの提案を鵜呑みにして
考え込んでた訳じゃないよね？！」

A「えっ？まさか・・そんなことある訳ないじゃん」

YH「Aは、ずっと僕のそばに居ればいいの！分かった？」

A「・・・」

YH「A？」

A「あ・・なんだかちょっと疲れちゃったから
部屋で休みたいな・・」

そばに居ていいって言われたけど、素直にうんって
返せなかった。

もし、私が一生ウサギのままで

もし、ユノに新しい彼女なんかできちゃって

もし、その人と将来を誓い合って結婚することになって

その時、もし・・私の存在が邪魔になったら・・・？

そんな、”もし”ばかりが否応なく頭の中を駆け巡る。

かと言って、ユノにウサギになってだなんて
おいそれと言える訳もなく・・。

これからのユノと自分の関係を思うと
どうしようもなく悲しく、落ち込んだ気分になった。

キュ「このままここで顔を付き合わせていても、何も解決しないと思うので
一度解散ということでよろしいですか？」

YH「あぁ。僕は、Aを連れて部屋に戻る」

CM「僕も桜子の様子が気になるので部屋に戻ります。
別れ際、すごく動揺してるみたいだったから・・」

キュ「僕は、書庫にある文献をもう少し調べてみます。
もしかしたら、まだ知られていない話が何かあるかもしれませんから」

YH「書庫？そしたら、僕らも手伝っ・・」

キュ「いえ、結構です。あなたたちには、それぞれ
自分のすべき役割があるでしょ？」

YH「それはそうだけど・・。これから一人で調べものだろ？
いくらなんでも・・」

キュ「一人？僕は、一人でやるなんて言った覚えはありませんが」

YH「わざわざ従業員の人の手を借りるってことか？」

キュ「それも違いますよ。僕には、もう一つの顔があるんです。
ね？Aさん(笑)」

A「あっ！ま、まさか・・うさぎ山の？」

キュ「なかなか賢いウサギもいるものですから。
今から呼んでサポートしてもらいます」

YH「え？何？？もう一つの顔って、何のこと？」

A「ユノ、それは部屋で説明してあげるから・・。
もう帰ろう？」

YH「うん・・」

キュ「何か分かったら、ご連絡しますから。タイムリミットは
明日、あなたたちが帰る時まで・・ですね」

YH「あぁ・・」

こうしてキュヒョンさんと別れ、私はユノに抱かれながら
部屋へと向かった。