80.安心できる場所 ページ32
A「私、何も・・全然知らなくて・・」
勝手に怒って部屋を飛び出して
挙句の果てに、こんなことになっちゃって。
目の前の二人だけじゃなくて、花ちゃんや桜子さん、うさゆの会のみんな、
それに、キュヒョンさん・・。
とにかく、沢山の人に迷惑をかけてる自分がどうしようもなく
情けなくて涙がこぼれた。
YH「A、泣かないで？知らなくて当然なんだよ。
だって、知られないように準備してこそのドッキリでしょ？」
A「それはそうだけど・・」
YH「僕と藤さんのあれも全部お芝居だったんだよ。
なるべくオーバーにやってくれって、栗林さんから言われてて。
だから本当に何もないんだ」
A「うん。分かってる・・」
YH「だったら、僕の所においで・・。そんなテーブルのはじっこにいるより
僕のそばにいた方が安心するでしょ？」
A「でも・・」
YH「もう浴衣も着替えたし、嫌な匂いはしないからさ・・。
お願いだから、戻ってきてよ・・・」
そう言って、急にユノが悲しそうな顔をするもんだから
私も自然と体が動いた。
巻いてあったタオルをはがし、おずおずとユノに近付く。
すると、しびれを切らしたユノが手を伸ばし
私の両脇に手を入れてきた。
A「きゃっ・・」
あっという間にフワリと持ち上がる私の体。
そして、そのままユノの温かい胸に吸い込まれていった。
YH「はぁ・・やっとこうすることができた」
A「ユノぉ・・・」
YH「よしよし、もう大丈夫だよ。僕がついてるからね」
不安と恐怖でいっぱいな私の気持ちを落ち着かせようと
ユノが私を包み、優しく撫でてくれる。
おまけに時折、背中をトントン・・って。
何よ。
これじゃ、まるで赤ちゃん扱いじゃない・・。
でも・・すごく安心する・・・。
CM「しかし、Aさんがこんな姿になってしまうなんて・・。
一体、何があったんですか？」
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作者名：ぽぽ | 作成日時：2014年11月26日 2時
