うさゆの。【秋の特別編2】 (ページ29)

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77.色違いのそれページ29

キュ「Aさん。あなたの彼氏は、どうも感情的すぎるようだ」

キュヒョンさんが私を抱きかかえ事務所に戻ると
開口一番そんなことを言った。

感情的・・か。

いつもは穏やかなユノも今回のことばかりは
そうのんびり構えていられなかったんだろう。

だって、人間である私が突然ウサギになってしまったのだから・・。

カッとなると、”僕”から”俺”に変わる。

これは、ユノの癖の一つ。

急にピョン吉の体に戻るなんてことは、さすがにないけれど
どうも気持ちの面では、まだ名残があるみたい・・。

キュ「特に、あなたのこととなるとなおさらね(笑)」

A「その腕時計・・」

キュ「え？これが何か」

A「もしかして、ユノ達がしているものと同じなんですか・・？」

キュヒョンさんの手首に光るブルーの時計。

色は違うけど変わったデザインが目に付いたので
思わず質問してみた。

キュ「よくお気付きで。そうですよ。これは色々と能力のある時計なんです」

A「だから、ウサギになった私ともこうやって
会話ができてるんですね」

キュ「それはちょっと違います」

A「？」

キュ「僕は時計の力を借りずとも、動物と会話ができるんですよ」

A「へぇ・・すごいですね」

キュ「それにしても、あの伝説が現実になるなんて・・」

A「伝説？」

キュ「あなたがこうしてウサギになってしまったことですよ」

そうだ・・。

人の腕時計なんて気にかけてる場合じゃなかった。

私、このままじゃ一生涯ウサギのまま
路頭に迷うってことだよね・・？

そんなことを思ったら、怖さでまた体が震えた。