76.ダブルフェイス ページ27
「ふ〜危ないところでしたね」
A「あ・・色々とありがとうございました。あの・・あなたのこと
アニキって呼んでましたけど・・」
「あぁ。僕は、うさぎ山に住むウサギたちのリーダーでもあるんですよ(笑)」
A「なるほど。だから、あのウサギも逆らえなかったわけか。
それにしても、妊娠中の奥さんがいるくせに私に手を出そうとするなんて
なんてチャラついたウサギなの？！」
こんな時だっていうのに、ふいに松本さんのことを思い出した。
どこの世界にも、不埒な男はいるってことか・・。
「もうすぐ一児の父親になるっていうのに、自覚が足りなくて困ります」
A「・・・」
「どうかしましたか？」
A「あ、いえ・・。あの・・私ってやっぱり
ウサギに見えます・・よね？」
「えぇ。真っ白な可愛いウサギにしか見えませんけど？(笑)」
A「はぁ・・・どうしよう。私、一生このまま・・」
「ねぇ。僕のさっきの言葉覚えてますか？」
A「何でしたっけ？」
「うさぎ山のリーダーでもあるって話ですよ」
A「そんなこと言ってましたね・・。ん？
リーダーでもあるってことは、他にも何かあるんですか？」
「僕には、もう一つ別の顔があるんです。この旅館の
女将のサポート役っていう顔がね」
A「女将のサポート？え・・ま、まさか・・・」
「ふふっ。ようやく気付きましたか？」
まさか・・。
そんなことがあるなんて・・・。
固まる私を見ながら、鼻をヒクヒクさせ
笑いを堪えるイケメンウサギ。
A「あ、あなたは・・しょい籠の・・・」
「ご名答。そう・・僕の名は、キュヒョンです」
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作者名：ぽぽ | 作成日時：2014年11月26日 2時
