うさゆの。【秋の特別編2】 (ページ14)

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63.出会いがしらの偶然ページ14

今夜は、誰にも遠慮することなく
ユノと二人っきりで過ごせるんだ。

わずか数分前までは、そんな期待感で胸がいっぱいだったのに・・。

今はというと・・崖から突き落とされたような、そんな気分。

私、何のためにここに来たの？

他の女性とイチャつくユノを見るために参加したわけじゃないのに！

私の目の前で、あんなにデレデレしちゃって。

藤さんって、たしかアラフィフじゃなかったっけ？

かなり歳は離れてるけど、ああいう色気たっぷりな女性の方が
やっぱり好きってことなのかな・・。

余裕もあるだろうから甘えさせてくれるだろうし。

それに引きかえ、私は・・・。

自慢できるような色気も余裕も持ち合わせてないし
すぐ怒るし、すぐ泣くし。

そんな自分が地味に思えて、急につまらない女に感じてしまった。

とにかく部屋に戻ろう。

あの場に居たら、きっと冷静じゃいられなくなる。

こぼれそうな涙をグッと堪え、廊下を小走りに移動していると・・。

ドンッ！！！

「って～～～」

A「っっわ・・・！」

曲がり角で誰かと衝突。

その衝撃で後ろに倒れそうになった所を
目の前の人物が咄嗟に私の身体を支えてくれた。

「申し訳ございません！お客様、お怪我は・・って、あれ？」

A「こちらこそ廊下を走ったりしてすみません・・って、あら？」

「あなたは・・」

A「あ・・キュヒョンさん」