どうやら常識が伝わらないらしい～さぁん～ (ページ17)

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缶けりとはページ17

缶けりとは昭和時代に発見されたとされるゲームである。うん、私の雑学からするとそのはず。それなのに……

「やるぞ！」

　と言って、やらされている。缶の代わりに使用されてるのは竹製の、小さな雀1羽入るくらいのカゴ。

「柱の人達と出来るわけないだろ……そう思いますよね！Aさん！」

「うるせぇ！弱味噌が！」

　そして、参加者は私たち炭治郎組と柱の方々。うん、いつも少しウザイなって思ってたけど善逸くん。今回ばかりはその意見に賛成だ。

「まずは俺が蹴る！｣

　名乗り出たのは煉獄さん。ついでにいうと、柱と私たち癸が本気で戦えるわけがないので、私たちは柱とペアを組んでいる。

　善逸くんと煉獄さん、炭治郎くんと甘露寺さん、伊之助くんと宇髄さん。私と胡蝶さんがペアだ。

　鬼は炭治郎くんと甘露寺さん。私たちは見つからないように、木の上にそっと隠れる。下の茂みを見ると、冨岡さんがいた。

　彼、逃走中の時も茂みに隠れてたような……

「俺と勝負だ！蓮次郎！」

「俺は炭治郎だ！伊之助発見！」

　ルールを把握してない伊之助くんが普通に登場。それを見て、宇髄さんが「お前死ね！」と叫んでいる。可哀想に……

　そこから甘露寺さんが転けそうになって助けようとした伊黒さん、たまたま冨岡さん同じ場所になって怒鳴った不死川さん。

　そして仲立ちに入った悲鳴嶼さん。巻き込まれた冨岡さん、匂いを覚えられて逃げきれなかった善逸くん(煉獄ペア)、ボーッとしてて普通に捕まった無一郎くんが捕まった。

　つまり、残りは私たちペアだけ……

「これしかありませんね」

「え」

　そう言うと、胡蝶さんは私を木から突き落とした。普通に落下して、尻もちをつく。

「いった」

「大丈夫かA！」

「Aちゃん、大丈夫？」

　心配してくれた二人が、私のほうへ寄ってくる。私は大丈夫だよ、と答えながら立とうとした。その時だった。

「ナイス胡蝶！」

　私に2人が注目してる間に、竹の籠を蹴る胡蝶さん。全員が開放される。

「囮作戦大成功ですね」

　……胡蝶さん、貴方少し怖いよ。