母さんが変なの拾ってきた

第一木曜日 ページ5

それから話を聞いたのだが、彼は大正時代の人間だとか。正直言ってあほらしい。けど、身なりはそれなりに整っていて、ニートのようには見えない。

「とにかく、うちに住むからにはうちのルールに従ってもらいますからね」

　私は早速母親に別れを告げて、宇髄さんを車に乗せて話をする。しかし、車を知らないなんて…

「まずはじめに、服装や格好といったものは全て私が」

「待て！ルールってなんだ？」

　私は思わずため息をついた。ルールを知らないのか、そうか。彼がもし演じているなら相当嫌われる性格をしているな。

「掟的なものですよ」

「なるほどな！」

　そのままなるべく、英語や外来語を使わないようにルールを説明していく。

【一、服装や格好は私が決める】

【一、家賃を払えない場合、それ相応の家事をすること】

【一、常識を捨てて全て非常識と考えて行動すること】

【一、自分の身分を隠すこと】

【一、使用方法やわからない言葉があった場合、調べるのではなく聞くこと】

「2人分の食費は出せないというのが現状ですので、なるべく早く仕事を見つけてください」

　最近では履歴書いらないところとかあるし、なんとかやって行けるだろう。というか、戸籍があるのか今度確認する口実ができたな。

「一応覚えとくぜ」

　一応ではなく、確実に覚えて頂きたい。

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