月を見つけて【ワンパンマン】

ー馬鹿ー ページ33

「サイタマさん！」

　Z市に着いた頃には、一段落済んでおり、街は復興に向けて動いていた。そんな中私は、訪問着を度々整えながらゴーストタウンに向かった。

「おう、Aじゃん。どーしたんだよ」

　マンションに行くと、いつも通りのん気にしているサイタマさんと、掃除機をかけているジェノスさんがいた。

　私はその場に力が抜けるように倒れ込んだ。よかった、みんな無事だ。

「ど、どうしたんだよ」

「どうしたもこうしたもありませんよ！連絡が取れなくなったと思ったら、いきなりZ市崩壊の危機って、そりゃ焦りますよ！」

　逆ギレもいいところだということは自分が一番知ってるが、どうしようも出来ず、ただその場でサイタマさんに怒鳴ることしか出来なかった。

「どれだけ心配したか、分かってるんですか！この馬鹿！」

「おい」

　ジェノスさんも、掃除機を止めてこちらに来るのがわかった。すると、なぜか何呑気に掃除機かけている彼にも腹が立ってきた。

「確かに今は同居人でもなんでもありませんよ、だけど、無事だってことくらい連絡してくださいよ」

　走ってきた、私が、馬鹿みたいじゃないですか。

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