ー出会いー ページ1
私は死ぬほど影が薄い。どんな例えをあげたら影が薄いことを証明できるかは知らないが、兎に角影が薄いと自分で思っている。だって、怪人が私を素通りするし、ヒーローが私関係なく戦い始めるし、なんとなく影が薄いのだと思う。
そんな私が迷子になったらどうなるだろう。誰も探してくれない、誰も声をかけてくれない、もしかしたら迷子になったことすら気がつかれないかも知れない。私は誰にも気がつかれることなく、生きるために盗みを働き、孤独死をするのかも知れない。
そんなの嫌だ。誰か、私を…見つけてくれ。私はここにいる。
「お前何やってんだ?」
そんな私を見つけてくれたのは、後頭部がやけに輝いている、変な黄色の服を着た、変な液体をかぶった男性だった。あたりにはその人と私しかおらず、彼はきっと私に声をかけているのだろう。こんな経験初めてだ。
「迷子に…なって」
「迷子って歳じゃねぇだろ」
言われてみればそうだ。私ももう19だし、迷子って歳じゃない。だけど、迷子な事には変わりない。困ったように顔を伏せると、男の人は困ったような顔をした。私はまた人を困らせてしまった。
「もしかして家出か?ここじゃなんだし、俺の家くるか?」
私は黙ってうなずいた。怪しいとは思わなかった。ただ、自分を見つけてくれる人がいるとわかって、嬉しくなったのだ。その嬉しいという気持ちに引っ張られ、何も考えずにその人について行った。今考えると危ない行動である。
「お前、名前は?」
「Aです」
「そっか、俺はサイタマ。よろしくな」
サイタマさんとの出会いは、私にとっては地球に太陽の光が届いた気分だった。
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うささん(プロフ) - ワンパンマン大好きさん» え、何でも……しないですか……番外編の方をお楽しみに! (2019年7月18日 19時) (レス) id: e71d51b2fb (このIDを非表示/違反報告)
ワンパンマン大好き - いえいえ!大丈夫です!これからも頑張ってください!応援してます!でも童帝君の出番増やしてくれたら嬉しかったり発狂したり…(お願いします童帝くん小説書いてください何でもしますから!…なんでもするとは言ってな(すみません)) (2019年7月18日 16時) (レス) id: bda1ec34af (このIDを非表示/違反報告)
うささん(プロフ) - ワンパンマン大好きさん» 童帝くん好きですか!出番少なくてすみません…… (2019年7月17日 23時) (レス) id: e71d51b2fb (このIDを非表示/違反報告)
ワンパンマン大好き - 童帝君最高(真顔) (2019年7月17日 22時) (レス) id: bda1ec34af (このIDを非表示/違反報告)
うささん(プロフ) - らいさん» もうって感じですよね……、頑張りやす! (2019年5月15日 15時) (レス) id: e71d51b2fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うささん | 作成日時:2019年5月12日 20時