52.試合�� ページ2
試合が終わるブザーが鳴った。
松本は、電光掲示板に表示された点数を眺め、
自分のチームは負けたのだと静かに受け入れた。
…ああ、そうか。
俺のバスケット人生はこれで終わるのか。
そう思った松本だが、
心のどこかで、
ここで辞めてしまっていいのか、という気持ちになっていた。
今日、人生で初めて自分のやりたいバスケができた。
チームが負けたことが悔しいことに変わりはないし、
何よりこのメンバーでできることはもうない。
…でも、楽しかった。
松本は頭からタオルを被り、
控室の椅子に座って項垂れていた。
松本は今回の試合を通して、バスケを辞めたくない気持ちに初めて気付き、
どうすれば良いかわからなくなっていた。
「…はあ」
チームメイトは早々に控室を後にしていたため、
松本のため息だけが、
控室に響き渡っていた。
ーーー
遅れて外にいるチームメイトに合流した松本は、
ふとAはどこにいるのだろうかと辺りを見回した。
いつもミーティングが終わってすぐにAを探すのだが、
今日はそんな余裕がなかった。
慌ててAを探した松本だったが、
どこを探しても見つからない。
…今日はもう家に帰ったのだろうか。
松本はそう納得しようとしたが、
どこか引っかかった。
でも今までAが一言も声をかけずに帰ったことがあっただろうか。
「稔、いくよ」
ぼうっとしている松本を見かねた母が声をかける。
母の声にハッとした松本は
なすすべなく、母に言われるままについていくのだった。
ーーーーー
みなさんいつもありがとうございます！！
第三者目線で小説を書いたり、
本人目線で書いたりしておりますが、
状況に合わせて変更しております、
ご了承ください🙇♀️
そろそろ中学生編も佳境に入ってきました😭
この章で中学生編終わりますので、
よろしくお願いします！
お互いを思う気持ちと、
子どもだからできないことの多さのもどかしさを感じていただければと思います…！
それでは引き続きよろしくお願いします🙃❣️
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作者名：usa | 作成日時：2023年11月6日 21時
