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ある日、午後の講義が終わってから次の教室へ行くため広い大学構内を移動する。
次の授業は友達の中で私しかとっていない授業のため、一人で教室へと向かった。



次の教室へ向かっているとき、
ぎゅっと腕を引っ張られ引き止められた。



驚いてそちらを見ると、
そこには元カレがいた。





驚きと恐怖で言葉が出ない。
元カレはそんな私を見て、ニヤニヤとしていた。




「…よう。久しぶり」



私は無意識に元カレをキッと睨みつける。



「私たち別れたよね。もう構わないでよ。」



冷たくそう言い放つと、
彼は怒ったのか掴んでいる私の腕をより強く握った。

そして引っ張って物陰に連れて行かれる。



抵抗したが、男性の力には敵わなかった。





「やり直そうぜ」

「いや…っ」




そう言うと胸ぐらを思いっきり掴まれる。

そして彼の拳が上がった瞬間、殴られると思い身構える。




その時だった。




「A…っ!」




突然名前を呼ばれ、彼も私も驚き声のする方を振り向くと、そこにはイチノくんがいた。




「…何してるんだよ」




元々低い声のイチノくんからさらに低い声が聞こえる。
その声に腰が引けたのか、元カレはすぐにその場を去っていった。


結局…威勢がいいだけの臆病だと気づいたのは別れた後だった。



その後去っていく彼の姿を二人で見つめていた。




そして先ほどの低い声が嘘かのように、優しい声でイチノくんは私に話しかける。


「大丈夫?何もされてない?」
「たまたまAを見つけて…見てたら変な奴に連れて行かれてたからさ…」



そう言ったイチノくんは少し顔を赤らめて、「いや…別にずっと見てた訳じゃないけど…」となぜか弁明していた。



私は手の震えが止まらず、震えている手をぎゅっと握りその場に座り込んだ。



「…ありがとう…イチノくん」




イチノくんは座り込んだ私に合わせて座る。

そして「怖かったよな」と言いながら優しく背中をさすってくれた。



私に触れる手が優しくて、安心感を覚えた。




…またイチノくんに助けられた。





「…誰?あれ?」

「…あー…実は元カレで…」

「元カレ?…手出しそうだったけど…付き合ってた時も…?」



隠し通せないな…。
そう思った私はイチノくんに元カレについて話すことにした。




「実は…」

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usa(プロフ) - さねさん» さねさん!いつもありがとうございます😊💖そう言っていただけて光栄です✨書いてよかったです😭🌸お言葉に甘えて自分のペースで引き続き頑張ります🔥これからもよろしくお願いします✊🔥 (2023年4月7日 22時) (レス) id: 1afdfb8f49 (このIDを非表示/違反報告)
さね - イチノくんのお話、とても素敵でした🥹♡♡お疲れ様です✨本編の深津さん、沢北の小説もとても楽しみです😊💓usaさんのペースで無理せず頑張って下さいね😊いつも応援してます!!✨ (2023年4月7日 14時) (レス) id: 0f56e55398 (このIDを非表示/違反報告)
usa(プロフ) - ぴょんさん» いつもありがとうございます!この作品を見てさらにカッコよく見えて嬉しいです🤭陰ながら支えてくれているぴょんさんには大感謝です😭✨沢北のスピンオフはもう少し先になる予定ですが引き続きお願いします🌸 (2023年4月4日 20時) (レス) id: 1afdfb8f49 (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん(プロフ) - 映画をみてきました! 作品を読んでいるから、沢北くんと深津さんに何度もかっこいいと心動かされました💓 イチノくんのスピンオフの続きも沢北くんのスピンオフも 待ち遠しいです🫶もちろん深津さんの本編も🫶 (2023年4月4日 18時) (レス) id: 814c2e04f2 (このIDを非表示/違反報告)
usa(プロフ) - ハルレイさん» ハルレイさん!いつもありがとうございます😭💖ハルレイさんのコメントに何度救われたことか…感謝してもしきれません😢完結まで突っ走りますので、これからも応援してくださると嬉しいです😭✨よろしくお願いします!!🔥 (2023年4月1日 21時) (レス) id: 1afdfb8f49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:usa | 作成日時:2023年3月29日 21時

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