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あの後、彼は倒れそうな私を受け止め、医務室まで運んでくれた。
医務室のベッドで意識が遠のく中、最後に見えたのは、
彼の去っていく後ろ姿。
Tシャツの背中にはローマ字で「ICHINO」と書かれていた。
…イチノ…くん……？
その記憶を最後に私は意識を手放した。
ーーーーー
あの後、少し休んだら体力も体調も回復した。
私は“イチノ“くんを探すため、
友達に話を聞いたところ。
彼は私と同じ歳の3回生で、
バスケットボール部だと言うことがわかった。
本名は、イチノくんではなく、一之倉聡くん。
うちの大学のバスケットボール部は結構強豪で有名な選手も多く、イチノくんの話を聞いたらすぐに周りから情報が出てきた。
助けてもらった次の日。
私は緊張しながらもバスケ部へと向かう。
体育館の扉からゆっくりと覗くと、
部員がパラパラといた。
体育館の外に目をやると、
私と同じように応援をする女子たちが多数。
さすがはバスケ部強豪校。
女子の黄色い声援があとを立たないようだ。
「…体調大丈夫なの？」
突然かけられた声に驚き、応援している女の子たちから声のする方へと視線を移す。
そこには、私が会いたくてたまらなかったイチノくんがいた。
「昨日はありがとう！」
勢い余ってそういうと、
イチノくんは声の大きさに驚いたのか
目を見開いてから声を出して笑った。
「必死すぎるでしょ。…まあ元気そうで何より」
そう言って去っていこうとしたイチノくんを「あの…っ！」という声で引き留める。
イチノくんも驚いてこちらを振り返った。
「これ。」
昨日のお礼という名目でイチノくんにお菓子を作ってきた。
…初っ端から重すぎか？と色々考えたが、お礼の贈り物＝手作りという謎の概念が刷り込まれていたため、手作りクッキーを渡すことにした。
受け取ってくれるだろうか。
そんな緊張で、心臓の音が身体中に響いている。
イチノくんは私の渡したお菓子をヒョイっと受け取り、
「誰に渡せばいいの？」
と私に尋ねる。
…え？
誰に？
「…え…イチノくんに…」
意外な返答だったのか、イチノくんは驚いてこちらを見ていた。
そして片手で口元を覆い、少し顔を赤らめていた。
「俺…か」
「…ごめん。こういうの初めてで」
「嬉しい。ありがとう」
そう言ってニコッと微笑んだイチノくんの顔があまりにも綺麗で。
私はなおのこと彼に惚れてしまったのだった。
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usa(プロフ) - さねさん» さねさん！いつもありがとうございます😊💖そう言っていただけて光栄です✨書いてよかったです😭🌸お言葉に甘えて自分のペースで引き続き頑張ります🔥これからもよろしくお願いします✊🔥 (2023年4月7日 22時) (
レス) id: 1afdfb8f49 (このIDを非表示/違反報告)
さね - イチノくんのお話、とても素敵でした🥹♡♡お疲れ様です✨本編の深津さん、沢北の小説もとても楽しみです😊💓usaさんのペースで無理せず頑張って下さいね😊いつも応援してます！！✨ (2023年4月7日 14時) (レス) id: 0f56e55398 (このIDを非表示/違反報告)
usa(プロフ) - ぴょんさん» いつもありがとうございます！この作品を見てさらにカッコよく見えて嬉しいです🤭陰ながら支えてくれているぴょんさんには大感謝です😭✨沢北のスピンオフはもう少し先になる予定ですが引き続きお願いします🌸 (2023年4月4日 20時) (レス) id: 1afdfb8f49 (このIDを非表示/違反報告)
ぴょん(プロフ) - 映画をみてきました！ 作品を読んでいるから、沢北くんと深津さんに何度もかっこいいと心動かされました💓 イチノくんのスピンオフの続きも沢北くんのスピンオフも 待ち遠しいです🫶もちろん深津さんの本編も🫶 (2023年4月4日 18時) (レス) id: 814c2e04f2 (このIDを非表示/違反報告)
usa(プロフ) - ハルレイさん» ハルレイさん！いつもありがとうございます😭💖ハルレイさんのコメントに何度救われたことか…感謝してもしきれません😢完結まで突っ走りますので、これからも応援してくださると嬉しいです😭✨よろしくお願いします！！🔥 (2023年4月1日 21時) (レス) id: 1afdfb8f49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usa | 作成日時：2023年3月29日 21時
