幸せの花束を君へ【SLAM DUNK】【深津一成】

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あれから1日休むと体調も良くなった。

休んだ日も三井さんは私の家に来てくれて、食べ物などを届けてくれた。



…三井さんは本当に底抜けにいい人だ。



ーーーーー



「…そういえば」



部活動も終え大学から帰宅した私は1人で部屋にいた時、ふと今日怪我をした部員の処置に迷ったことを思い出した。

高校の時、必死に救急処置を勉強したことがふと頭をよぎった。
勉強したノートは確か持ってきていたはず。

もう1度復習しよう。




そう思い、1人でノートを探す。



クローゼットの中を漁ると、ダンボールが見つかった。



…これかな。


上京してきて3年。
1度もこのダンボールを開けていなかったことに驚きつつも、テープを剥がし中を除く。





その中身を見て、思わず1人で固まってしまった。




中には、深津先輩からもらった花束やネックレス、ブレスレット、お揃いのリストバンド。
そして深津先輩から初めてもらったプレゼントであるマフラーなどが入っていた。





…私…持ってくる段ボール間違えてる。





連絡が取れなくなってから数ヶ月後。
私は深津先輩を思い出さないようにと、深津先輩との思い出の品を段ボールに詰めた。


その段ボールと、ノートが入っている段ボールを間違えて持ってきてしまったらしい。






気付けば、私は涙が止まらないほどに溢れ出ていた。






『…思った通り似合ってるピョン』



まだ寒い秋田の3月。
私がマフラーを巻いた時に満足げな表情でそう言い、写真を撮った深津先輩。



1年記念日に赤い花束を私に差し出し、耳を真っ赤にしてそっぽむいている深津先輩。





全てのプレゼントに
1つ1つの思い出がしっかりと詰まっている。

それはもう大事に。








…私があげたプレゼントは…


もう捨ててしまっただろうか。





1年記念日にあげたアルバム。

“これから一緒に思い出を作って新しい写真をはさんでいきたい“

そんな思いから、最後の数ページを白紙で渡した。





これから先も、
ずっと深津先輩といると思っていた。






「…こんなことなら白紙のページなんか作らなきゃよかった」





どうすればあなたは私から消えてくれるの？




辛いの。

辛いはずなのに。





どうしてまだ…



あなたを待ちたいと思ってしまうの？






「…ちゃんと別れろ…っ。ばか」






止まらないとわかっている涙を拭くこともせず、私はただひたすら深津先輩にもらったものをギュッと握りしめていた。

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