幸せの花束を君へ【SLAM DUNK】【深津一成】

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「綺麗だね〜！」




気まずそうに私の後ろをついてくる深津先輩を他所に、私は妙にテンションを高くあげて話す。
…じゃないと私の心が持たない。




そしてふと高校時代の思い出が蘇る。




『アメリカから帰ってきたら、どこ行きたいピョン？』


『イルミネーション行きたい！…深津先輩と二人で見たい』


『行くピョン。2年後のクリスマス』


『うん。楽しみ。』




2年後のクリスマスではないけれど…

あの時の約束は果たされている。





綺麗なイルミネーションとは対照的な気持ちでそれを見てしまっている。




本当はー・・・





「…こんな形で見たかったんじゃないのに」





自分の気持ちを吐き出した瞬間、感情までもが出てしまい涙が溢れ出た。


私は今日、深津先輩に涙を見せるために来たんじゃないのに。







私は深津先輩に背を向けたまま、言葉を続ける。




「どうして急に連絡が取れなくなったの？」
「別れるにしても…連絡はくれてもよかったのに…」





「…私といるより幸せだと思える人がいたの？」





1度吐き出した気持ちは止まることを知らず、思っていたことが次々に言葉に出てくる。




「ちが「違うなんて言わないで！」




“違う“


そう言われてしまったら…
私は深津先輩を忘れることはできないだろう。



…私はー・・・


深津先輩がどこにいたってずっと隣にいるつもりだった。






大学はアメリカに行くって言っても。

ずっと待つつもりだったのに。





深津先輩は待つことすら許してくれなかった。







「…違うなんて言わないで。」
「…じゃないと納得できないよ。」
「嘘でもいいから…そう言ってよ」




相変わらず深津先輩に背を向けたまま話を続ける。

だから深津先輩がどんな表情をしているかなんて、私にはわからない。



けど何かを話す気配がして
私は静かに耳を深津先輩の言葉に傾ける。






「「好きな人ができた」「もうAのことは好きじゃない」「ごめん」」





深津先輩が淡々と言った言葉は、
思ったよりも私に重くのしかかった。





信じたくなくて、
息苦しくなる。


涙も止まらなくなりそうだ。










それでも…







深津先輩が思い出す私の最後の記憶はー・・・

笑顔でありたい。





私は涙を拭いて、一生懸命笑顔を貼り付けて深津先輩の方を振り返った。




ーーー



やっと登場深津さん！！！！

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