8.遭遇 ページ8
こんな時間に同級生に会うと思っていなかった驚きと、恥ずかしい場面を見られ、会いたくなかった人物に会ってしまった衝撃で体が動かなかった。
お互い驚いて見つめあっていたが、
先に口を開いたのはAさんだった。
「あ、失恋した松本くんだ」
そう言ってAさんはイタズラに笑った。
こんな顔もするのか、と驚いたことを覚えている。
「…やめろよ…」
「結構傷ついてるんだからさ」
「そんなに川田さんが好きだったの？」
川田さんとは俺の元カノの名前だ。
今日の放課後まで付き合っていたのに、もう元カノと呼ばなければならないことに辛さを感じる。
「…好きだったよ」
「…最初は流されて付き合ったけど」
「流されて付き合ったこと言うなんて…松本くん、正直だね」
Aさんにそう言われ、やってしまったとばかりに手で口を覆った。
ぼうっとしていたらつい口に出していた。
Aさんにどう思われただろうか、と思いチラッとAさんの方を見る。
Aさんは予想に反して笑っていた。
松本くんらしいよ、なんて言いながら。
「…初めての彼女だったんだ」
自転車を止め、
サドルに軽く腰掛けて項垂れる。
結構ダメージがあったのか、
俺は全然話したこともないAさんに話を聞いてもらうことにした。
Aさんは相槌を打ちながら話を聞いてくれる。
散々話し終えたあと、
「どうすれば忘れられるんだろうな」
と口にした。
特に深く考えていなかった。
純粋に疑問に思ったことを無意識に口にしていた。
その瞬間、
Aさんが静かに俺に近づいてくるのがわかる。
なんだろう、とぼうっとしていると、
突然Aさんの唇と俺の唇が重なった。
突然の出来事に、
俺は身動き1つとれず、
Aさんが俺から離れるまでずっと固まったままだった。
初めてのキスは
突然現れた女の子に奪われた。
ファーストキスはレモンの味というが、
別に何も味はしなかった。
でもとても優しい口付けだった。
俺は何をされたのか頭の中で理解し、
急に顔が赤くなる。
驚きすぎてAさんを見ると、
ほんのりと顔を赤らめ、またイタズラに笑った。
「前の恋を忘れるには、次の恋に行くことだよ！」
「松本くん、私に流されてみる？」
そう言って再度ニコッと笑った。
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あと数話で主人公目線になる予定です！
最初はほのぼの行きましょう〜！😊
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usa(プロフ) - Lyraさん» Lyraさん！コメントありがとうございます！全然気づいていませんでした😣💦すいません！今すぐ見させてもらいます❣️この作品も読んでいただいてありがとうございます！Lyraさんビックラブです🥺💗 (10月9日 21時) (
レス) id: d85cd154fb (このIDを非表示/違反報告)
Lyra(プロフ) - メッセージを送ったのですが、もしかしたら気づいていらっしゃらないのかも？って思ったのでこちらにコメントしました😉読んで下さっていたらごめんなさい🙇♂️36.の松本の照れや笑顔がすごく想像出来てほっこりしました💓 (10月8日 23時) (レス) id: 798ba1e857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usa | 作成日時：2023年8月23日 17時
