7.バスケットボール ページ7
俺は鉛のように重たい足を動かし、
自転車に跨って夜の道を進んでいく。
今からバスケをしに行くのだ。
俺はバスケのクラブチームに通っている。
そのため学校の部活には入らず、学校の授業が終わるとすぐに帰宅する毎日だ。
俺が通うクラブチームは、全国大会常連の実力のあるチームだった。
その中でも、俺は周りに期待されているらしい。
バスケを始めた頃はただ楽しくて何も考えずに練習をしていた。
その努力が身を結び、
いつの間にか俺は周りから才能があると言われ、
親からも周囲からも期待されていた。
自慢ではないが、取材を受けたこともあった。
「稔は将来プロバスケットボール選手かしら？」
母から嬉しそうにそう言われたことは何度あっただろう。
もう数えるのも鬱陶しいくらいには言われているような気がする。
最初は期待されることが嫌ではなかった。
むしろ嬉しかった。
でも現実はそううまくはいかない。
ずっと期待に応えられるわけではないのだ。
自分のしたいバスケをすると、
監督やコーチを含めたいろんな人から注意を受けた。
自分のしたいことを我慢したバスケは周りから賞賛された。
期待というものは、相手の中の理想像であって、
果たして、人の期待に応えることが本当に自分のしたいことなのだろうかと疑問に思う日々が続いた。
辞めたい。
そう思うようになった。
夏の全国大会が終わった後、母にも辞めたいと伝えたが辞めさせてはくれなかった。
何を言われたかなどは思い出せない。
けれど、すごい剣幕で怒られたことだけは覚えてた。
正直、俺は失望した。
俺のしたいことではなく、母の願いでバスケを続けなければならないのか。
それからはしらばくバスケに通ったが、今日はそれにプラスして失恋したのだ。
ただでさえ辛い気持ちなのに、さらに楽しくないバスケまでしろと言うのか。
そう思った俺は小さな反抗として、今日、バスケをサボって近くの公園に来た。
基本的に、宿題もテスト勉強も何もかも期日までに真面目に取り組む俺だったが、今回ばかりは初めてサボってしまった。
罪悪感で胸がいっぱいになり、
自転車のハンドルを握る手には汗を感じていた。
やっぱりバスケに行こうか。
今からでも遅くはないだろうか。
下を向きながらそう考えていたところでふと顔を上げると、そこには見覚えのある顔がいた。
そこには今日失恋現場を見られてしまったAさんがいた。
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usa(プロフ) - Lyraさん» Lyraさん！コメントありがとうございます！全然気づいていませんでした😣💦すいません！今すぐ見させてもらいます❣️この作品も読んでいただいてありがとうございます！Lyraさんビックラブです🥺💗 (10月9日 21時) (
レス) id: d85cd154fb (このIDを非表示/違反報告)
Lyra(プロフ) - メッセージを送ったのですが、もしかしたら気づいていらっしゃらないのかも？って思ったのでこちらにコメントしました😉読んで下さっていたらごめんなさい🙇♂️36.の松本の照れや笑顔がすごく想像出来てほっこりしました💓 (10月8日 23時) (レス) id: 798ba1e857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usa | 作成日時：2023年8月23日 17時
