49.返答 ページ49
あの後、稔くんに本当に口説かれてないのかと何度も聞かれた。
その姿が面白くて、つい吹き出すと、
稔くんが顔を真っ赤にしていた。
---
「じゃあ深津と何を話してたんだ？」
しばらく経ってから稔くんにそう聞かれ、
思わず胸が嫌な音を立てる。
『やっぱり私では彼の力にはなれないみたい』
そんなことを深津に言っていると稔くんが知ったら…
どう思うだろう。
そう思うと、しっかりと切り出すことができなかった。
「私の惚気話を聞いてもらってたの」
「恥ずかしいから稔くんには内緒ね」
稔くんの問いに答えられず、
はぐらかしてしまった。
稔くんは照れるわけでもなく不思議そうな顔でこちらを見ながら「そうか」とだけ言い、
この話題は幕を閉じた。
次は深津のチームとベスト4をかけて対戦するようだった。
「次の試合も見に行くから」
「稔くん、頑張ってね」
そういうと、稔くんは笑顔で私に応えてくれた。
ーーーーー
その後、稔くんはミーティングがあると言ってその場を後にした。
私は1人歩いていると、
タイミングよく深津が現れた。
私が来るのを待っていたかのように、壁にもたれかかっていたのだ。
「さっきの相談に返事ができてなかったベシ」
深津の言葉に？が浮かぶ。
相談…
『稔くんって…まだやりたいことできてないのかな』
あ…あれか。
私は相談したという自覚がなかったため、
思い出すのに少しの時間を要した。
わざわざそれの返答を言うためにここで待っていたのだろうか。
深津は無表情で何を考えているかわからないけれど、
律儀なやつであると言うことだけはわかった。
「明日の試合、俺からも鼓舞してみるベシ」
「松本のやりたいことができるように見守っとくベシ」
それだけ言って深津は私に背を向けた。
手を後ろに組み、そのまま静かに去っていった。
深津は…
どうしてそこまでしてくれるんだろう。
変な人だけど、
ただただいい人なのかもしれない。
そんなことを思いながら、
何度通ったかわからない帰路についた。
…今日は家に帰っても何もありませんように。
平和でありますように。
怪我しませんように。
そう願いながら。
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usa(プロフ) - Lyraさん» Lyraさん！コメントありがとうございます！全然気づいていませんでした😣💦すいません！今すぐ見させてもらいます❣️この作品も読んでいただいてありがとうございます！Lyraさんビックラブです🥺💗 (10月9日 21時) (
レス) id: d85cd154fb (このIDを非表示/違反報告)
Lyra(プロフ) - メッセージを送ったのですが、もしかしたら気づいていらっしゃらないのかも？って思ったのでこちらにコメントしました😉読んで下さっていたらごめんなさい🙇♂️36.の松本の照れや笑顔がすごく想像出来てほっこりしました💓 (10月8日 23時) (レス) id: 798ba1e857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usa | 作成日時：2023年8月23日 17時
