48.似た者同士 ページ48
場の空気を深刻にさせないため、
私はヘラっと笑った。
すると深津は前を向いたまま、声を発した。
「今どんな気持ちベシ？」
「…気持ち？」
突然の深津の質問の意図が理解できず、
一瞬答えるのに戸惑った。
疑問に思いながらも深津に返答する。
「…悲しい、かな」
そういうと、深津は以前前を見たまま言葉を発した。
「悲しい気持ちの時にする表情じゃないベシ」
深津は前を向いたままのはずなのに、
私の表情が見えていたのかとギョッとした。
…いや、驚くべきところはそこではない。
『ずっと笑顔でいる必要ない。怒っても泣いても、誰もAのこと嫌いにならないよ？』
いつの日か、アミに言われた言葉をふと思い出した。
そんな自覚はまるでなかった。
私すらも親友の一言で気づいたと言うのに、
深津にはすぐに見破られた。
やはり全国屈指のプレイヤーは視野が広いということだろうか。
「…俺も一緒だからわかるベシ」
「あんまり表情が変わらないベシ」
言われてみれば確かに。
深津はあまり表情が変わらないな。
第一印象から無表情な人だと思った記憶がある。
「私たち似たもの同士だね」
「ベシ」
タイミングがいいのか悪いのか、
そこには息を切らした稔くんが現れた。
深津と話す時、足元を見ていたからか、
稔くんが来たことに全く気づかなかった。
走ってここまで来たのだろうか。
少し汗をかいている。
そして稔くんは私と深津の間にズカッと座った。
稔くんがすぐに深津の方を向く。
「俺の彼女なんだけど」
開口一番何を言い出すのかと思えばそういった内容で。
稔くんは前回同様、深津が私を口説いていると勘違いしているようだった。
深津は意味がわからないと言った表情で稔くんを見つめていた。
稔くんの表情は見なくてもわかる。
耳を真っ赤にさせているからだ。
私のために必死になる稔くんが面白くて、
つい吹き出してしまった。
稔くんはそんな私を見て、
顔を真っ赤にしながら少し焦っていた。
「違うよ稔くん」
「深津と稔くんと話をしてたの」
「深津って…！呼び方」
稔くんは突然の呼び捨てに驚いたのか、
焦りながら言葉を発していた。
「覗きが趣味のやつを好きにはならないベシ」
深津はそれと同時に席を立ち、
稔くんと私を見下ろした。
深津の一言にはむかつくが、
今は無視するとしよう。
稔くんは“覗き“の意味がわからないのか、
頭の上に？を浮かべていたが、
そんな稔くんを放って、深津は私たちに背を向けどこかへ行ってしまった。
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usa(プロフ) - Lyraさん» Lyraさん！コメントありがとうございます！全然気づいていませんでした😣💦すいません！今すぐ見させてもらいます❣️この作品も読んでいただいてありがとうございます！Lyraさんビックラブです🥺💗 (10月9日 21時) (
レス) id: d85cd154fb (このIDを非表示/違反報告)
Lyra(プロフ) - メッセージを送ったのですが、もしかしたら気づいていらっしゃらないのかも？って思ったのでこちらにコメントしました😉読んで下さっていたらごめんなさい🙇♂️36.の松本の照れや笑顔がすごく想像出来てほっこりしました💓 (10月8日 23時) (レス) id: 798ba1e857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usa | 作成日時：2023年8月23日 17時
