46.全国大会前日�� ページ46
「…稔くん、本当にこの大会でバスケ辞めちゃうんだね」
「…」
私の言葉に稔くんは反応を示さず、足元に目を向けていた。
冬の寒い風の音だけが聞こえる静寂な空間。
私はずっと気になっていたことを稔くんに伝える。
「今までずっと稔くんの試合を見てきて思ったんだけどね」
「…稔くんすごく窮屈そうにプレイしてるね」
稔くんは私の一言に驚いたのか、
目を丸くしてこちらを見ている。
素人が出過ぎた真似をしただろうかと急に恥ずかしくなり、
深津くんも山田くんもそう言ってたんだ、と付け足した。
「余計なお世話ならごめん…」
「でももしやりたいことがあるなら最後だから思いっきりやってもいいと思う」
私は稔くんをまっすぐ見つめて伝えた。
私なんかが伝えてどうにかなるとは思っていなかったが、
最後くらい稔くんのやりたいバスケを全力でやってほしかった。
…ただそれだけだった。
「それで負けても誰も何も言わないよ」
「だって稔くんがエースだもん」
山田くんと教室で話をしていた時、
山田くんが言っていた言葉だ。
『あいつがエースだから』
『あいつで負けたらしょうがない』
笑顔でそう言っていた。
あれはきっと本心からだと思う。
どうしても稔くんにそれを伝えたかった。
その言葉を受けたのか、
稔くんの表情が最初よりも柔らかくなったように思う。
稔くんは笑顔で私に「ありがとな」と言ってくれた。
全国大会で稔くんがどのようなプレイをするかはわからない。
それを選ぶのは稔くんだから。
でも後悔しないように。
稔くんの全てが出し切れる試合になるといいなと思った。
ーーー
そして2人で途中まで並んで帰っていた。
特に深い会話をしていたわけではない。
明日になったら忘れてしまうような他愛のない会話だ。
ふと前を見ると、
そこには見知らぬ女の人が立っていた。
誰だろうと不思議に思っていると、
稔くんが声を発する。
「…母さん」
稔くんのお母さんだったのかと理解し、
急いで頭を下げた。
お母さんはとても優しそうな人で、
笑顔で挨拶をしてくれた。
「買い物に行ってくるわね」
「2人とも気をつけて」
そう言って稔くんのお母さんはその場から去っていった。
ーーー
どんどんスラムダンクの小説の需要が少なくなっていくのかな、と思うと、温めていた沢北のお話を公開しようかなと思うのですが、みなさんどう思いますか？
よかったらご意見ください…！
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usa(プロフ) - Lyraさん» Lyraさん！コメントありがとうございます！全然気づいていませんでした😣💦すいません！今すぐ見させてもらいます❣️この作品も読んでいただいてありがとうございます！Lyraさんビックラブです🥺💗 (10月9日 21時) (
レス) id: d85cd154fb (このIDを非表示/違反報告)
Lyra(プロフ) - メッセージを送ったのですが、もしかしたら気づいていらっしゃらないのかも？って思ったのでこちらにコメントしました😉読んで下さっていたらごめんなさい🙇♂️36.の松本の照れや笑顔がすごく想像出来てほっこりしました💓 (10月8日 23時) (レス) id: 798ba1e857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usa | 作成日時：2023年8月23日 17時
