45.全国大会前日�� ページ45
全国大会前日。
無理言って稔くんに公園に来てもらった。
前日くらいゆっくりしたいと思うけど、
稔くんは嫌な顔一つせず、こうして公園に来てくれた。
いつもはベンチに座るけど、
今日は早々と済ませる予定で、
稔くんが公園に来た瞬間にベンチから立つ。
「Aどうした？なんかあったか？」
私たちはこうして公園で会うとき、わざわざ約束はしない。
稔くんがバスケを終えてから公園で座っている私を見つけたら寄る、そういったルーティンだ。
だから私が呼び出したことに
何かあったのではと思いここまで急いできてくれたのかもしれない。
私は少し緊張しながらも、
手に持っていたものを稔くんに差し出した。
それは私が作ったお守りだった。
バスケットボールの形をしたお守り。
少しでも全国大会で頑張る稔くんを応援したくて、
苦手すぎる裁縫も毎日徹夜して頑張って作った。
糸はほつれているし、
見るに堪えないお守りだけど…
それを受け取った稔くんは、
お守りを見たまま固まっている。
…下手すぎてひかれたかな…
そう考え不安に思っていると、
稔くんは私の予想とは違い、
いつものように優しい笑顔で笑った。
「ありがとな」
「これ持って頑張るよ」
目標はベスト４だと言っていた。
稔くんのチームはいつもベスト８止まりだと嘆いていたことを思い出す。
「裁縫だけはどう頑張っても得意になれなくて…」
「下手くそでごめんね」
そういうと、稔くんは驚いたように、
お守りをもう一度見た。
そしてニコっと微笑む。
「関係ない」
「Aが俺のために作ってくれたことが嬉しい」
私は自分で知っていた。
できないことはない、と噂されていることに。
だからできない自分を、
出すことが怖かった。
周りに失望されたくない、と心のどこかで思っていたからだ。
でも彼だけは、
どんな私でも受け入れてくれる。
それが再確認できて安心した。
稔くんは私を優しく包み込んだ。
そして少し体を離して、
私に顔を近づける。
私はそれに合わせて、
静かに目を閉じた。
特に何か言葉を交わしたわけではないが、
試合の前日にはいつも稔くんとキスをした。
稔くんの口づけはいつも優しい。
キスをした後は決まって稔くんはニッと口角を挙げて、
「俺だけ見てて」
と自信ありげに言うのだ。
私はそれにいつも赤面しながら、
ゆっくりと首を縦に振るのだった。
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usa(プロフ) - Lyraさん» Lyraさん！コメントありがとうございます！全然気づいていませんでした😣💦すいません！今すぐ見させてもらいます❣️この作品も読んでいただいてありがとうございます！Lyraさんビックラブです🥺💗 (10月9日 21時) (
レス) id: d85cd154fb (このIDを非表示/違反報告)
Lyra(プロフ) - メッセージを送ったのですが、もしかしたら気づいていらっしゃらないのかも？って思ったのでこちらにコメントしました😉読んで下さっていたらごめんなさい🙇♂️36.の松本の照れや笑顔がすごく想像出来てほっこりしました💓 (10月8日 23時) (レス) id: 798ba1e857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usa | 作成日時：2023年8月23日 17時
