40.呼び出し�� ページ40
“わかってるから“
なんて安心する言葉なんだろう。
心の中にあった誰かへの諦めが、
スッとどこかへ消えた。
…誰かに期待してもいいのだろうか。
その後、稔くんは川田さんの元へと歩み寄る。
川田さんは稔くんから何を言われるのかと怯えているのか、
目を見開いたまま稔くんを見つめていた。
「怪我はしてないか？」
「…うん」
稔くんの問いが意外だったのか、
川田さんは拍子抜けした顔で稔くんを見つめながら答えた。
「…ごめん」
「こうさせたのも俺のせい？」
その後川田さんはハッとし、
稔くんからの心配を払い退けた。
「…っ違うから」
「行こ」
そう言って一緒にきていた女子2人を引き連れて教材庫を出ていった。
私はその場で立ち尽くしてしまう。
そして、どうして呼び出されたかがわかり、
胸が締め付けられる思いだった。
…川田さんはまだ稔くんが好きなんだ。
私はあの時ー・・・
稔くんの寂しさを、
恋心をー・・・
「A？」
稔くんに名前を呼ばれ、意識が現実に戻される。
「…稔くん…」
「あの…ご…」
“ごめん“
そう言おうとした瞬間、
稔くんに優しく包まれる。
稔くんの大きな体にすっぽり入る。
「…余計なこと考えなくていい」
「俺が好きなのはAだから」
私の考えは全てわかっているように稔くんはそう言った。
それから稔くんは強く私を抱きしめた。
どこへも行かないようにと、
必死に抑えているように強く。
ーーーー
しばらく経ってから、
稔くんはゆっくりと体を離し、私を見る。
「…で、何された？」
答えられずに稔くんから目を逸らしてしまう。
稔くんからもらったキーホルダーが、
窓の外から投げられてどこにあるわからないなんて。
言えない。
そんな私の想いを察したのか、
稔くんはまた私の目線までしゃがんでくれた。
「…大丈夫。助けになるから」
「言ってみ」
『どんな小さいことでも、どんなことがあっても助けるって誓う』
あの日、公園で稔くんが私にそう言ってくれたことを思い出した。
私は意を決して稔くんに口を開いた。
「昨日もらったキーホルダー窓から投げられちゃって」
「…せっかく稔くんがくれたのにごめんね」
私がそういうと、稔くんは一瞬驚いた顔をしたものの、
その後すぐに表情を緩めて笑った。
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usa(プロフ) - Lyraさん» Lyraさん！コメントありがとうございます！全然気づいていませんでした😣💦すいません！今すぐ見させてもらいます❣️この作品も読んでいただいてありがとうございます！Lyraさんビックラブです🥺💗 (10月9日 21時) (
レス) id: d85cd154fb (このIDを非表示/違反報告)
Lyra(プロフ) - メッセージを送ったのですが、もしかしたら気づいていらっしゃらないのかも？って思ったのでこちらにコメントしました😉読んで下さっていたらごめんなさい🙇♂️36.の松本の照れや笑顔がすごく想像出来てほっこりしました💓 (10月8日 23時) (レス) id: 798ba1e857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usa | 作成日時：2023年8月23日 17時
