39.呼び出し�� ページ39
稔くんは私たちの状況を見て、立ち尽くしている。
そりゃそうだろう。
今この場面だけを見たら、
どう考えたって手を出しているのは私だ。
川田さんは私に突き飛ばされた直後で、
私は川田さんを見下ろすように立っているのだから。
そう思っていた直後、
川田さんと仲のいい2人の女子がここぞとばかりに声を出す。
「松本くん聞いて」
「Aさんが突き飛ばしたの」
その言葉を聞いた川田さんが、今にも泣きそうな目で稔くんを見つめる。
『どうせあんたがまたやらかしたんでしょ』
『なんでこんなことするの！』
状況だけを見て決めつけられた過去を思い出し、
私は言い訳することもなく立ち尽くした。
そういえばあれは小学生の時だった。
友達の夏休みに作った作品が壊れていた時、
なぜか私のせいにされた。
母はああやって私を叱った。
私ではなかったのに信じてくれなかった。
母はあの時から私をよく思っていなかったのだろう。
そんなことを考えていると、
稔くんが静かにこちらに歩いてきた。
“また“失望されてしまう。
でも全部、私が悪いから。
突き飛ばしたのも事実だし、言い訳するつもりなんかない。
だけど…
よりによってなんで川田さんがいるところで。
松本くんが本気で好きだった彼女がいる場面で…
私は稔くんから何を言われるか不安で、
下を向いてギュッと目をつぶった。
稔くんは川田さんを通り越し、
私の目の前で止まった。
稔くんの足音が聞こえなくなり、
私は瞑っていた目を静かに開け、目の前にいる稔くんを見上げた。
稔くんは私と同じ目線になるように膝を少しかがめてくれる。
「…突き飛ばしたのは本当か？」
静かな口調が妙に怖かった。
けれど事実である以上、私は首を縦に振った。
なんと言われるかわからず、再度下を向く。
すると稔くんは優しく私の頬に触れた。
意外すぎる稔くんの行動にまたもや顔を上げる。
「何か理由があったんじゃないか？」
「Aが理由もなくそんなことするとは思えない」
稔くんは私を責めることなくそう言ってくれた。
稔くんの一言に静かに涙を流すと、
稔くんは私の頬に触れていた手で優しく涙を拭き取ってくれた。
「大丈夫。わかってるから。」
稔くんの言葉に、私はまた涙を流すのだった。
ーーー
最近忙しすぎて更新したいのにできませんでした😭
読んでくださっているみなさん！ありがとうございます！！
みなさんが私の原動力です❣️
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usa(プロフ) - Lyraさん» Lyraさん！コメントありがとうございます！全然気づいていませんでした😣💦すいません！今すぐ見させてもらいます❣️この作品も読んでいただいてありがとうございます！Lyraさんビックラブです🥺💗 (10月9日 21時) (
レス) id: d85cd154fb (このIDを非表示/違反報告)
Lyra(プロフ) - メッセージを送ったのですが、もしかしたら気づいていらっしゃらないのかも？って思ったのでこちらにコメントしました😉読んで下さっていたらごめんなさい🙇♂️36.の松本の照れや笑顔がすごく想像出来てほっこりしました💓 (10月8日 23時) (レス) id: 798ba1e857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usa | 作成日時：2023年8月23日 17時
