36.キーホルダー ページ36
あの後、私たちが付き合っているということは瞬く間に広がった。
否定する理由もなかったため、
クラスメイトに聞かれた時は素直に肯定した。
それから、学校で松本くんと顔を合わす度に冷やかされた。
学校で会うのは少し気まずくなってしまったけど、
私たちには公園があるから特に問題はなかった。
ーー
「あれは流石にやりすぎたんじゃない？」
いつも通り公園で松本くんとベンチに座って話す。
私は笑いながら今日の学校での出来事を話した。
松本くんは気まずそうに私から目を逸らしていた。
「…悪い。告白されたなんて聞いて居ても立ってもいられなくなった」
いつも素直に自分の気持ちを伝えてくれる松本くんは、きっと自分を表現できる素敵な家庭で育ったのだろうとするにわかる。
バスケについては厳しいみたいだけど…。
「それにいつから呼び捨てで呼んでくれるようになったの？」
そう言っていたずらに笑うと、
松本くんは耳まで真っ赤にしてこちらを見た。
眉毛を少し吊り上げてまっすぐこちらを見つめる松本くんの照れた表情は私の大好きな顔だ。
「…いやか？」
松本くんがこう聞く時は、
大抵私の様子を伺っている。
私はニコッと両方の口角を上げた。
「嬉しいに決まってるよ」
「…私も稔くんって呼ぼうかな〜」
私も松本くんの顔色を伺うように、
チラッと横目で彼を見る。
名前で呼んでもいいかどうか、
松本くんの表情から汲み取ろうとしたのだ。
松本くんは嬉しいそうにニカッと笑った。
「いいな、それ」
その一言で私が今日から稔くんと呼べることになった。
彼が嬉しそうに目を細めて笑う表情が好きだ。
私は忘れないようにとでも言わんばかりに目に焼き付けた。
「あ、そうだ。これ」
そう言って松本くんは何やらリュックの中をゴソゴソと漁っている。
なんだろう、と見つめていると、
「はい」と言って小さな袋を渡してくれた。
「この前秋田に合宿行ったから買ってきた」
そういえば行くと言っていたなと思い出す。
紙袋から出すと、
犬？のキーホルダーが出てきた。
少し面白い顔をしていて、クスッと笑ってしまった。
「ありがとう！」
「秋田犬をモチーフにしたキャラクターなんだって」
「期間限定で販売してた。ずっと見てたら可愛く見えてくるだろ？」
そう言って松本くんは笑っていた。
好きな人から何かをもらうのは初めてだが、
私がいないところで私のことを考えてくれていた事実がとても嬉しかった。
「死ぬまでずっと身につけてるね」
そう言うと、松本くんは「そうしてくれ」と言って、また笑った。
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usa(プロフ) - Lyraさん» Lyraさん！コメントありがとうございます！全然気づいていませんでした😣💦すいません！今すぐ見させてもらいます❣️この作品も読んでいただいてありがとうございます！Lyraさんビックラブです🥺💗 (10月9日 21時) (
レス) id: d85cd154fb (このIDを非表示/違反報告)
Lyra(プロフ) - メッセージを送ったのですが、もしかしたら気づいていらっしゃらないのかも？って思ったのでこちらにコメントしました😉読んで下さっていたらごめんなさい🙇♂️36.の松本の照れや笑顔がすごく想像出来てほっこりしました💓 (10月8日 23時) (レス) id: 798ba1e857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usa | 作成日時：2023年8月23日 17時
