35.独占欲 ページ35
「Aさん好きです」
「付き合ってください」
1組の中村くんにそう告げられた。
告白は何度されても慣れない。
最近は思わせぶりをしないようにと男の子と話をしないようにしていた。
しかし1組の中村くんとは委員会が一緒で、
必要事項を話すことがよくあった。
距離感には気をつけていたつもりだったが、相手はそう思ってはくれなかったみたいだ。
ーーーー
先ほどの告白現場から教室に戻り、
チラッと廊下を見ると、
なぜか松本くんがいた。
廊下側に席のある山田くんに用があったようで、
楽しそうに話していた。
松本くんは教室に戻ってきた私に気づいたのか、
誰にもわからないように目を細めてこちらを見た。
松本くんと付き合っていることはアミにしか言っていない。
わざわざ周りのに言う必要もないかな、というのが正直なところだった。
言いたいわけでも、言いたくないわけでもなかったが、
特に周りに言うことはなかった。
「ちょっと！A！」
「中村くんに告白されたって本当なの！？」
告白されたのは先ほどだというのに、
なぜすでに噂が広まっているのか。
教室に入った瞬間、
同じクラスの女子たちに囲まれた。
「しかもあの中村くんでしょ？」
「学年一イケメンだし、Aとお似合いじゃん！」
「付き合うでしょ？」
どうなの、と言いながら楽しそうに問いかけてくる女子たちになんて返そう。
そう思いながら笑みを浮かべていると、
突然廊下から
「A」
と私を呼ぶ声がした。
聞き馴染みのあるその声に、
思わず振り返る。
周りも突然の出来事だったためか、驚いて同じ方向を見た。
案の定、その声は松本くんだった。
クラス中が松本くんに注目している。
しかし私はそんな空気などお構いなかった。
だって松本くんが初めて私を呼び捨てで呼んでくれたのだから。
松本くんに名前を呼ばれただけでこんなにも心臓がうるさくなるなんて。
そして松本くは静かに言葉を発した。
「断ったんだろ？」
先ほどの女子の会話を聞いていたのか、
松本くんは真剣な目でこちらを見ており、
私は彼から目を逸らすことができなかった。
「…うん。断ったよ」
私がそういうと、松本くんは、
「ん」
とだけ言い、満足げにその場を去った。
私の表情と松本くんの行動で周りは察したのか、
教室中から「何今の！！」という声がどことなく聞こえた。
私の胸は以前高鳴ったままだった。
普段は学校で会っても何食わぬ顔をしている松本くんが見せた明らかな独占欲に、
嬉しいと思ってしまう自分がいた。
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usa(プロフ) - Lyraさん» Lyraさん！コメントありがとうございます！全然気づいていませんでした😣💦すいません！今すぐ見させてもらいます❣️この作品も読んでいただいてありがとうございます！Lyraさんビックラブです🥺💗 (10月9日 21時) (
レス) id: d85cd154fb (このIDを非表示/違反報告)
Lyra(プロフ) - メッセージを送ったのですが、もしかしたら気づいていらっしゃらないのかも？って思ったのでこちらにコメントしました😉読んで下さっていたらごめんなさい🙇♂️36.の松本の照れや笑顔がすごく想像出来てほっこりしました💓 (10月8日 23時) (レス) id: 798ba1e857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usa | 作成日時：2023年8月23日 17時
