27.その後 ページ27
あの後、松本くんは家まで送ってくれた。
しかも自然に手を繋がれて、
私はずっとドキドキしてばかりだった。
手を繋ぎながら歩いている道のりで、
松本くんのことをチラッと見たが、
松本くんは私の視線に気付き「ん？」と言って微笑んだ。
なんだか私ばっかり松本くんに振り回れているようで、
松本くんは慣れているのか余裕そうな表情…な気がする。
急展開すぎて頭は追いついていないけど、
体はずっとふわふわしてた。
ずっと恋焦がれていた松本くんと付き合えることになったけど、夢じゃないかと思うほど幸せだった。
ー・・・今思えば、人生でこの時が一番幸せだったと思う。
ーーーーー
「今週の土日は練習試合なんだ」
いつものように松本くんがバスケの練習を終えたタイミングで公園で話す。
もはやルーティン化しているようで、
私は母に言われなくても松本くんのバスケの日はこうして公園に来るようになった。
「どこでするの？」
「いつも練習してる体育館で」
「強豪のクラブチームが来るんだ」
「結構何回も練習試合してるところ」
松本くんはそう言いながら、
「いる？」といった素ぶりで私にリンゴジュースを渡してくれた。
私は「ありがとう」と呟き、
静かにリンゴジュースを受け取った。
なぜか松本くんは公園に来る度、リンゴジュースを買ってきてくれる。
松本くん七不思議の1つだ。
でも松本くんがずっとくれるから、
好きだったリンゴジュースが大好きになったのは言うまでもない。
『その試合、見に行ってもいい？』
喉元まで出かかった言葉を飲み込んだ。
本当は松本くんがバスケをしている姿が見たかった。
もし、松本くんが本当に中学校でバスケを辞めてしまうなら、
もう松本くんがバスケをしている姿は見られないかもしれない。
でも…
辞めたいと言っているスポーツを誰かに見られるなんて嫌かな…
行きたい気持ちと
それを言ってはいけないと思う気持ち。
どうしよう、と迷っていると、
松本くんが私の顔を覗き込んだ。
驚いて目を見開いてしまう。
「どうした？」
「ううん！なんでもないっ」
慌ててそう返すと
松本くんは「そうか」と言って、
私の頬に手を触れた。
そして静かに松本くんの顔が近づく。
私も松本くんが何をするのか悟って、静かに目を閉じた。
優しい口付けの後、松本くんは
「何かあったら言ってくれよ」
と言って微笑んだ。
やっぱり松本くんは慣れているのでは…！？という疑問が拭えない1日だった。
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usa(プロフ) - Lyraさん» Lyraさん！コメントありがとうございます！全然気づいていませんでした😣💦すいません！今すぐ見させてもらいます❣️この作品も読んでいただいてありがとうございます！Lyraさんビックラブです🥺💗 (10月9日 21時) (
レス) id: d85cd154fb (このIDを非表示/違反報告)
Lyra(プロフ) - メッセージを送ったのですが、もしかしたら気づいていらっしゃらないのかも？って思ったのでこちらにコメントしました😉読んで下さっていたらごめんなさい🙇♂️36.の松本の照れや笑顔がすごく想像出来てほっこりしました💓 (10月8日 23時) (レス) id: 798ba1e857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usa | 作成日時：2023年8月23日 17時
