23.放課後�� ページ23
放課後、黙々と日誌を書く。
日直は時間割や欠席者、1日の反省などを日誌に書き、担任に提出する必要がある。
私は他のみんなが嫌がる日直が嫌いではない。
こうして日誌を放課後に書くことで、家に帰る時間が少しでも遅くなるから。
母のことを考えると早く帰るべきなのはわかっているけど、どこかで疲れてしまっている自分がいることに薄々気づいていた。
ペンを走らせていると、
ガラガラっと教室の扉が開く音がした。
扉の方を見ると、
そこには松本くんが立っていた。
驚いて走らせていたペンの動きを止め、松本くんを見つめていると、松本くんがゆっくりと私に近づいてきた。
そして私の席の前の席の椅子をひき、
私の方に体を向けて座った。
「…よ」
松本くんは控えめに私の方を見て、挨拶をした。
「きてくれたんだ？」
そう聞くと、松本くんは顔を真っ赤にし、
「…Aさんと話したくて」
と言った。
「…私と？」
「今日バスケなくて公園で会えないから」
「…だめだったか？」
少し頬を赤ながら、
覗き込みように上目づかいで私を見る松本くんに思わず胸がキュンとする。
…何この人。ずるすぎる。
私を松本くんの沼から抜け出させないつもり？
…なんて心で思いながらも、松本くんに返答する。
「…だめじゃ、ないけど」
私がそういった瞬間、
松本くんはヘラっと笑って、
安心したような表情を見せた。
「よかった」
その笑顔に思わず見惚れてしまう。
ドッドっと音を立てて動く心臓を止めることはできず、
松本くんに照れていることがバレないように、
再び日誌に向かい、ペンを動かした。
松本くんは私が日誌を書いている姿を
じっと見つめていた。
他の誰でもなく、松本くんに見られているのが恥ずかしくて変な汗をかきそうだ。
「…そんなに見られてたら書けないよ…」
私がそういうと、松本くんはハッとなりなぜか慌てていた。
「悪い…つい」
「…字が綺麗だな、と思って」
…字？
私はゆっくりと日誌に目を落とす。
松本くんは私を見ていたわけではなく、
日誌の字を見ていたようだった。
自分の勘違いだったことに気づき、一人で恥ずかしくなる。
「…字か！」
「…？…なんだ？」
「いや！何も！！！」
私は慌てて日誌を書くのを再開した。
---
明日は更新できないため、最短明後日の更新になります！引き続きよろしくお願いします😆🌈
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
usa(プロフ) - Lyraさん» Lyraさん！コメントありがとうございます！全然気づいていませんでした😣💦すいません！今すぐ見させてもらいます❣️この作品も読んでいただいてありがとうございます！Lyraさんビックラブです🥺💗 (10月9日 21時) (
レス) id: d85cd154fb (このIDを非表示/違反報告)
Lyra(プロフ) - メッセージを送ったのですが、もしかしたら気づいていらっしゃらないのかも？って思ったのでこちらにコメントしました😉読んで下さっていたらごめんなさい🙇♂️36.の松本の照れや笑顔がすごく想像出来てほっこりしました💓 (10月8日 23時) (レス) id: 798ba1e857 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：usa | 作成日時：2023年8月23日 17時
