3.彼女 ページ3
「山田、悪い」
「社会の教科書忘れたんだ。貸してくれないか？」
廊下側の窓からひょっこりと覗くと、そこには同じバスケットボールのクラブチームに通う山田の席がある。
俺は山田と仲がいいため、よくこのクラスに足を運ぶ。
実はもう一つ足繁くこの教室に通う理由があるのだが。それは一旦置いておこう。
「松本が忘れ物？珍しいな」
そう言いながら、山田は俺に教科書を手渡してくれた。
最近考え事が多くて、うっかりしていた。
…それは同じバスケットボールクラブに通う山田には伏せておこう。
「ありがとな」
お礼を言って教科書を受け取った時にふと視線を感じ、視線の先に目をやる。
すると、教室前方に座っているAさんと目が合った。
Aさんは俺と目が合ったことに驚いたのか顔を赤くし、慌てて俺から目を逸らした。
…え？
俺の顔に何かついてたか？
そう思った瞬間、山田が興奮気味に声を上げる。
「今Aさん、俺と目が合ったよな？」
…なんだ。
俺と目が合ったわけではなかったのか。
飛んだ勘違いをしてしまい、勝手に一人で恥ずかしくなる。
俺はそそくさと教室を去ろうとしたところ、ニヤニヤしている山田に引き止められた。
「彼女に挨拶して行かなくていいのか？」
なにやらニヤニヤしていると思ったらそういうことか。
「今日の放課後に会う約束してるからいい」
俺が冷静を装ってそう言うと、山田はヒューと言いながら俺を冷やかす。
うるさい、と言いながらも俺は顔が赤いだろうと自分でわかるほど熱くなる。
そう。
俺には付き合って2ヶ月になる彼女がいる。
足繁くこの教室に通う理由の1つがこれだ。
山田のクラスに彼女がいるのだ。
放課後、彼女に教室で待っていてと言われ、俺は今日1日ドキドキしている。
チラッと彼女を見たが、目が合うことはなかった。
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usa(プロフ) - Lyraさん» Lyraさん！コメントありがとうございます！全然気づいていませんでした😣💦すいません！今すぐ見させてもらいます❣️この作品も読んでいただいてありがとうございます！Lyraさんビックラブです🥺💗 (10月9日 21時) (
レス) id: d85cd154fb (このIDを非表示/違反報告)
Lyra(プロフ) - メッセージを送ったのですが、もしかしたら気づいていらっしゃらないのかも？って思ったのでこちらにコメントしました😉読んで下さっていたらごめんなさい🙇♂️36.の松本の照れや笑顔がすごく想像出来てほっこりしました💓 (10月8日 23時) (レス) id: 798ba1e857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usa | 作成日時：2023年8月23日 17時
