14.転機 ページ14
『松本くんが幸せそうでよかった』
そうは言ったものの、やはり心のどこかで後悔していた。
私の方が先に告白してたら違う結果だったのかな、とか。
そのまま松本くんへの気持ちを断ち切ることができずに、
ズルズルと2ヶ月を過ごしていた。
『山田、悪い』
『社会の教科書忘れたんだ。貸してくれないか？』
松本くんの声に、思わず耳が反応してしまう。
チラッと声のする方を見ると、
ぱちっと松本くんと目が合った。
…初めて目があった！！
私は慌てて目を逸らし、机に伏せた。
初めての出来事に心臓がバグバグと音を立てている。
「…かっこいい…」
私が机に伏せながらそういうと、アミは呆れたように私に声をかける。
「それ松本本人に言ってやんな」
「…彼女いるじゃん…」
「…まあ」
どう頑張っても私は彼女には勝てないのだ。
そんなどうしようもない現実を受け入れたくない気持ちがどこかにあった。
ーーーー
しかし、今日は本当にツイてる。
たまたま松本くんのクラスの前を通ったら、困っている松本くんを見つけた。
算数のノートとドリルを職員室へ持って行かなければいけないのだろう。
私はすかさず、教室に入り、ドリルを持った。
『Aさん…』
突然松本くんが私の名前を呼んだことに驚き、
思わず松本くんを見つめる。
松本くんが私の名前を知ってくれていただなんて。
素直に嬉しかった。
ずっと胸が高鳴っている。
好きな人に名前を呼ばれるのってこんなに嬉しいんだ。
そっからは地に足がついていないようにふわふわしていた。
職員室に用はないのに、職員室に用があると嘘をついて松本くんのお手伝いをした。
今思えば、あの時松本くんは純粋な気持ちで私を助けてくれたのに、私は下心ありありでなんとも醜いなと思った。
ーーー
そしてその日の放課後、
松本くんが振られている現場をたまたま目撃してしまった。
それも私が忘れ物を取りに教室に行こうとした時だった。
正直なんとも言えない気持ちになった。
松本くんが誰のものでもなくなった反面、
松本くんはすごく傷ついている。
…でも、
これはチャンスなのでは！？
これから誰のことも気にせず、頑張って松本くんにアタックしよう。
ーーーそう思ったのに。
そして現在に戻る。
公園で松本くんに会って、盛大にやらかした今、
私は松本くんと関われる術をもう持ち合わせていなかった。
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usa(プロフ) - Lyraさん» Lyraさん！コメントありがとうございます！全然気づいていませんでした😣💦すいません！今すぐ見させてもらいます❣️この作品も読んでいただいてありがとうございます！Lyraさんビックラブです🥺💗 (10月9日 21時) (
レス) id: d85cd154fb (このIDを非表示/違反報告)
Lyra(プロフ) - メッセージを送ったのですが、もしかしたら気づいていらっしゃらないのかも？って思ったのでこちらにコメントしました😉読んで下さっていたらごめんなさい🙇♂️36.の松本の照れや笑顔がすごく想像出来てほっこりしました💓 (10月8日 23時) (レス) id: 798ba1e857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usa | 作成日時：2023年8月23日 17時
