11.努力 ページ11
それからは松本くんに振り向いてもらえるように、
お母さんのヘアアイロンを勝手に使って髪の毛を整えたし、
お風呂上がりは勝手に化粧水や乳液も使った。
母に減りが早いことを指摘されたが、無視した。
母はきっと何かを察していたのだろう。それ以上何も言ってこなかった。
「なんか最近可愛くなったね」
友達にそう言われ、
素直に嬉しかった。
松本くんにもそう思われていたらいいな。
なんてちょっと浮かれたりして。
それから松本くんに見合う人になりたくて、
勉強も頑張った。
母の体調が悪い日は公園のベンチで単語帳を開けた。
その成果もあってか、みるみる成績は上がり、先生たちに褒められるようになった。
…裁縫だけはどう頑張っても得意になれなくて、家庭科の成績だけは上がらなかったけど。
それでも松本くんに声をかける勇気はなかった。
初めての恋愛でどうしたら良いかわからず、
遠くから見つめる日々が続いた。
教室から体育の授業をしている松本くんを見たり、
たまに私のクラスに来る松本くんを見つめてみたり。
…まあ一度も目は合わなかったけど。
バレンタインデーには、名前を書かずにこっそりと下駄箱に手作りチョコレートを入れた。
昔料理を作っていた母から、小学生の時に教えてもらったピーナッツバターを入れた生チョコ。
その後、松本くんと同じクラスになった友達から、
「松本が美味しいって言ってたよ。」
と教えてくれた。
「お返ししたいって言ってたけど…Aからだって言わなくていいの？」
そう言われたが、首を横に振った。
松本くんに対して見返りは求めない。
私はただただ受け取ってもらえるだけでいいのだ。
中学2年生の私はそう思っていた。
ーーー
中学3年生のクラス替え。
心の底から願ったけれど、
松本くんとは違うクラスになってしまった。
…隣のクラスになれただけ良しとしよう。
同じクラスの山田くんと松本くんは仲がいいらしく、松本くんはよく私のクラスに顔を出すようになった。
松本くんが来るたび、目が合わないかな、と松本くんをチラチラと見つめる日々。
そんな私を見た友人には、「奥手すぎ」と呆れられるほどだった。
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usa(プロフ) - Lyraさん» Lyraさん！コメントありがとうございます！全然気づいていませんでした😣💦すいません！今すぐ見させてもらいます❣️この作品も読んでいただいてありがとうございます！Lyraさんビックラブです🥺💗 (10月9日 21時) (
レス) id: d85cd154fb (このIDを非表示/違反報告)
Lyra(プロフ) - メッセージを送ったのですが、もしかしたら気づいていらっしゃらないのかも？って思ったのでこちらにコメントしました😉読んで下さっていたらごめんなさい🙇♂️36.の松本の照れや笑顔がすごく想像出来てほっこりしました💓 (10月8日 23時) (レス) id: 798ba1e857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usa | 作成日時：2023年8月23日 17時
