心の距離の縮め方6 (if story) ページ50
私の胸に顔を埋めて何も言わない蘭に、竜胆が気を利かせて部屋を出て行った。
「……ごめん姉ちゃん」
トントンと、背中を叩いているとボソッと聞こえた声。
『怒ってないよ』
「おれ、何もできなかった…
姉ちゃんが倒れたとき、何も…」
怖かった。と言った蘭の声は少し震えているように聞こえた。
「白豹が救急車を呼んで、救急車が来るまで姉ちゃんを抱えていたのは佐野で
俺何も反応できなかったし、呼びかけられても聞こえなかった…」
何も言わず、ただ蘭の声に耳を傾ける。
「救急車に乗ったのも佐野で、俺どうやって病院に来たかもわかんねぇのに……医者と話したのもアイツだ
椅子に座ってる事しかできない俺にアイツは、大丈夫だって言ったんだよ…
俺を怒ることもせず、大丈夫だって
んでその後に、挑発して悪かったって謝りやがった」
俺の立場ねぇじゃん。と言う蘭にクスクスと笑う。
『シンイチローらしいわ』
もう一度開かれた扉を見れば、シンイチローの姿。
先ほどから噂をすれば。と言うやつだ。
「A！起きたか！」
「触んな」
伸ばして来た手をやんわりと阻止する蘭からは、以前のような敵意はさほど感じない。
「おい、蘭！
看護師呼んだか？」
うっ。と黙る蘭の頭を掴んでゆらゆらと揺らしたシンイチローは、呼べよ！とナースコールを押した。
「竜胆は？」
『んー多分売店』
頭に巻かれた包帯を撫でながら聞いて来たシンイチローの問いに答えれば、アイツもナースコール押さなかったのか。と呆れた顔をした。
シンイチローが私に触れていても蘭はもう何も言わない。
私が寝てる間にこの2人にどんな会話があったのか詳しくは知らないが、以前とは違う2人を纏う雰囲気。
「お前ら姉弟はお互いが絡むとポンコツになる所どうにかしろ」
「うっせぇよ
いい加減姉ちゃん諦めろ最弱王」
「諦めの悪さだけが取り柄なんだよ
今のうちから義兄さんって呼ぶ練習しとけ」
「うざ
やっぱテメェ嫌いだわ」
やっぱ。と言うことは少しは良い奴と思ってたって事だろう。
「患者の前で喧嘩はやめてください！」
入ってきた医師と看護師に怒られて部屋から出された、よく似た背丈の2人。
「「外にいるから」」
扉が閉まる直前に聞こえた声と、閉まった後に、真似すんな！と聞こえる声に思わず笑いが漏れた。
真一郎と蘭のifの話。
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玉兎(プロフ) - 朝パンさん» お久しぶりです😂😂もちろん覚えてますよ！！ めちゃくちゃ読んでくれてる！！✨✨嬉しさ極まってます！！ありがとうございます🥰頑張ります💪 (8月31日 11時) (
レス) id: 51ccdf4ac7 (このIDを非表示/違反報告)
朝パン(プロフ) - お久しぶりです!!覚えてますか？この20回振ったあの子は灰谷姉でしたシリーズと喧嘩するほどシリーズそしてちょっとおかしな君の金銭感覚シリーズを軽く8回程読み返しまくってる朝はパンよりご飯派です!玉兎様の作品はどれも傑作でもう大好きですこれからもFIGHTです!! (8月17日 2時) (レス) id: 90a0b3c2ac (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - つかささん» ありがとうございます！！そう言っていただけると舞い上がります😂 頑張ります✨✨ (2022年8月27日 12時) (レス) id: 29d9966584 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - 玉兎さんの作品めっちゃ面白いです！！玉兎さんのペースで全然いいので更新頑張ってください！！ (2022年8月27日 7時) (レス) id: d3e06b901c (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 雪兎さん» いえいえそんなお気になさらず！ 読んでいただけるだけで幸せです🥰さらにコメントもしてくださって舞い上がります😊 お時間のある時にゆっくり目を通してください♡✨ (2022年8月25日 16時) (レス) id: 29d9966584 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玉兎
| 作成日時：2022年7月22日 13時
