嫌いな日 ページ1
［本編197〜202話あたり 蘭side］
毎年この日になると姉ちゃんは月を見上げる。
その姿は月に帰りたがっているかぐや姫のようで。
羽衣を帝に隠されたかぐや姫は月に帰れなかった。
ずっと気に入らなかった。
それでも、姉ちゃんが笑顔でいてくれるなら。そう思ってた。
その日も姉ちゃんはあのバイク屋に行った。
狂極に狙われてるのにフラッと出て行って、行き先が黒龍初代総長ってのも腹立たしかった。
そんな時、狂極の総長と副総長がタイマンを申し込んできた。
もちろん断る理由もなく、むしろ殺すつもりで竜胆と向かった。
顔を合わせて見れば見たことあるやつで。
��ドブネズミ��姉ちゃんがそう呼んでたかつての俺らの駒。
そして姉ちゃんを公園で襲撃したやつだった。
もう1人の方も覚えてる。クリスマスの日イルミネーションの帰りにビール瓶で俺が頭カチ割った。
「灰谷！今日はここでお前らを殺す
そして六本木は狂極のものだ！！
それか、テメェら姉弟が狂極にはいれ」
狂極の総長が言うと同時に俺は殴り飛ばした。
1発で伸された総長に、外野から反則など野次がとぶ。
合図？そんなもん必要ねぇ。
競技じゃねぇんだ。
勝った方の勝ちだ。
竜胆が押さえ込んだ副総長、もといドブネズミの上に跨り、拳を振り上げた。
「テメェに会ったら殺そうと思ってたんだよ
姉ちゃんに奇襲なんざ仕掛けやがって」
勢いよく振り下ろした拳がそいつの顔面に食い込んだ。
「ガッ！！
クソ、灰谷っ！！
タイマンだろ…が！
テメェら姉弟揃って卑怯な真似しやがって！！」
「竜胆、しっかり押さえとけ
こいつ殺す」
グッと力を入れた竜胆に、ドブネズミが叫び声を上げる。
俺は無心で拳を振り下ろした。
顔に飛ぶ返り血も、血で滑る指の間も。
何も気にすることなく殴り続けた。
「…兄貴
サツだ」
竜胆の声に手を止めると、鳴り響くサイレンが意外と近くに聞こえた。
スッと立ち上がって、恐怖している狂極共を見据える。
「チームなんていらねぇよ
灰谷姉弟が六本木を仕切る」
とは言ったものの、この距離で鳴り響くサイレンだ。逃げ切れる気はしない。
それに、足元で転がる血だらけのドブネズミ。
まだ生きてるがきっと死ぬ。
殺すつもりで殴ったから。
「竜胆」
「…わかってる」
竜胆はそれだけ答えて、走ってきたタダに逃げろと指示を出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 697人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玉兎(プロフ) - 朝パンさん» お久しぶりです😂😂もちろん覚えてますよ！！ めちゃくちゃ読んでくれてる！！✨✨嬉しさ極まってます！！ありがとうございます🥰頑張ります💪 (8月31日 11時) (
レス) id: 51ccdf4ac7 (このIDを非表示/違反報告)
朝パン(プロフ) - お久しぶりです!!覚えてますか？この20回振ったあの子は灰谷姉でしたシリーズと喧嘩するほどシリーズそしてちょっとおかしな君の金銭感覚シリーズを軽く8回程読み返しまくってる朝はパンよりご飯派です!玉兎様の作品はどれも傑作でもう大好きですこれからもFIGHTです!! (8月17日 2時) (レス) id: 90a0b3c2ac (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - つかささん» ありがとうございます！！そう言っていただけると舞い上がります😂 頑張ります✨✨ (2022年8月27日 12時) (レス) id: 29d9966584 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - 玉兎さんの作品めっちゃ面白いです！！玉兎さんのペースで全然いいので更新頑張ってください！！ (2022年8月27日 7時) (レス) id: d3e06b901c (このIDを非表示/違反報告)
玉兎(プロフ) - 雪兎さん» いえいえそんなお気になさらず！ 読んでいただけるだけで幸せです🥰さらにコメントもしてくださって舞い上がります😊 お時間のある時にゆっくり目を通してください♡✨ (2022年8月25日 16時) (レス) id: 29d9966584 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：玉兎
| 作成日時：2022年7月22日 13時
