きっかけはカラフルな、、、 8

ブラウンゴールド ページ33

オレらの夢は決まった。



「このホテルを選んでよかった。」



「初めて話した場所だからじゃないん？」



「それもある。

けど、昔から聞かされていたんよ、オカンに。

親父とデートで何度もここのレストランに来て、プロポーズした思い出のホテルやって。

だから、こうして照史と過ごせて、、、うれしい。」



「歴史あるもんなぁ。

じゃあ、オレも将来淳太にプロポーズする時は絶対ここで。」



「予告？」



「いや、宣言？」



学生の分際で語る夢や将来なんて、周りの大人からすれば鼻で笑われ、バカにされるようなものかもしれない。



けど、オレらはいたって本気。



真面目に2人の幸せのために生きていくからな。








次の日、朝イチで神ちゃんにLINEしたらものすごく喜んでくれた。



照史は変わらずレンタル彼氏のバイトを続けている。



相談はされた。



「淳太が嫌なら辞める。」って。



けど、照史の生活のためやもん。



ちょっとはヤキモチ妬くけど、がんばれって言った。



その代わり、レンタル彼氏のバイトの日は必ずオレん家に来てくれる。








寒かった冬も終わり、春の足音が聞こえてきたある朝、開けた窓から吹き込む風が部屋を駆け抜ける。



それがとても心地よく、揺れるカーテン越しに見渡した部屋に少しずつ照史の荷物が増えていることに改めて気付く。



「なぁ、照史、、、ここに引っ越してこうへん？」



ベッドから身体を起こした照史の元へ歩きながら提案する。



「大学には遠いけど。どう？」



「掃除、洗濯、料理はまかしとけ。」



「そんなんいいって。」



照史といるといい意味で感情はジェットコースター。



幸せで上ってばかりだけど。



ほら、今も。



布団と共に一緒に包まれた中で温かいキス。



「さ。起きよ。コーヒー入れる。」

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