きっかけはカラフルな、、、 8

ブラウンゴールド ページ29

探偵使って照史のこと調べたことなんて言わんでもよかった。



だから、敢えて言う。



嫌って。



オレのこと。



できれば言葉が欲しい。



「お前なんやねん、二度とオレに関わるな！」って。



会いたい気持ち、照史への思いが、心の奥底から出てこなくなるように。



なのに照史、何も言わずオレを見上げたまま。



オレは言葉を待って、けど、一歩、二歩後ろに下がる。



、、、もうこれ以上は無理、、、「じゃあ。」って歩き出そうとした時だった。



顔くしゃ〜ってして笑ったかと思うと、



「ん。ありがとう、連絡くれて。

オレ、あかんかった〜、、、全然。

連絡せんように、我慢して、我慢して。

けど、連絡先変えてしまったり、着信拒否はできんかった、、、。

それしたら、もう二度と会えへん気がして。

掛けへんかったら意味あれへんのにな。」



って、、、え、、、我慢？、、会えへん、、、ダメだ、考え過ぎた頭は照史の言葉一つひとつを都合よく解釈し出す。



さらに、ベンチから立ち上がり、大きな手で頬を包まれたら、、、照史の手を汚すとわかっていても涙が止まらない。



だから、



「なぁ、、、一つだけ聞いていい？

なんでそこまでして、、、今日、会いに来てくれたん？」



っていう照史の問いに、考えるより先に答えが口から出そうになる。



「照史に会いたかったから。」って。



けど、その前にふわっと優しく抱きしめられた。



抱きしめられたことは理解できるけど、頭がついていかない。



ただ立ち尽くすオレの耳元で、照史が大きく息を吸った。



「淳太、、、やっぱりオレから言わせて。

好きや、、、オレ、淳太のこと、好き。

連絡したら会いたくなるし、会ったらこうしたくなる。

嫌われるくらいやったら、忘れようと思って、、、けど、あかんかった、、、忘れられるわけないねん。

あの日、あの数時間で好きになった気持ちが胸ん中でずーっと苦しくて、苦しくて、、、。

今日、会えて、、、うん、やっぱり好き。

淳太から会いに来てくれたってことは、オレ、自惚れていい？

淳太もオレと同じ気持ちって、、、。」

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