きっかけはカラフルな、、、 8

ブラウンゴールド ページ24

「淳太、紹介します。

重岡くんです。」



「はじめまして。」



「神ちゃんからいつも話は聞いてます。

仲良くしてもらっているというか、理解者？

誰にでも言われへんこともあるやろうから、ほんまに感謝してます。」



頭を下げる重岡さんと一緒に神ちゃんも隣でペコっと下げてる。



「全然です。

逆にオレの方が最近では助けられてばかり。

発破をかけられてます。

神ちゃん、ずっとオレに黙ってたんですよ。重岡さんとのこと。

それが少し前に教えてくれてからはもう惚気まくりですからね。」



「淳太！」



重岡さん、めちゃくちゃいい人。



神ちゃんの幸せそうな顔見てたら、オレも会いたくなった。



そして、神ちゃん達と駅で別れて気持ちが固まった。



照史に会いたい、会いに行こう、って。



方法をどうするか、、、問題はそこ。



大学が一番無難よな。



その情報は照史から聞いて知ってるんやもん。



家の前でおったら、「何で知ってるん？」ってなるよな。



ストーカーやん、気味悪がられる。



探偵に頼んで調べたなんて、、、それこそ知られたら引かれる。



1週間の行動が調べ上げられてるから、今週も同じ時間に同じ行動を取るだろう。



レンタル彼氏のバイト以外は。



だから、この報告通りに大学の入り口で待ち伏せすればいい。



電車で1時間かからない。



行って、声かけて、、、って、それが難しいんやん。



もうこんな気持ち、忘れてしまえ、、、うん、それが一番難しい。



オレの講義と被らない日、水曜日と金曜日に行ってみた。



もちろん1人で。



正門が見える植栽の脇に、身体を半分隠すような感じで何時間も立っていた。



12月の風は身体を芯から凍えさせ、それはもう意欲も何もかも削いでしまうかのよう。



冷静になれる、否が応でも。



こんなんじゃ会えへんて。



金曜日の夕方、落ち葉が風に舞う中、次の方法を考えながら駅へと歩いた。



次の方法なんて一つしかない。



超確実な方法。



照史を呼び出すことだ。



レンタル彼氏として。

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