きっかけはカラフルな、、、 8

ブラウンゴールド ページ18

黄



「結局、折り返しなかったん？」



一度全部白状したら、もうこのモヤモヤを隠すことなくなってる。



学食で昼ご飯を食べながら、ここ数日間の悩みを話す。



「そう。あの日神ちゃんと別れてから、めちゃくちゃ悩んで、勇気出して電話掛けたのに。

まぁ、でももし出られたら何喋ってええかわからんかったけどな。」



「その一回だけ？電話掛けたの。」



「そんな何回も無理。」



「LINEは？」



「電話の折り返しもないのに？」



「LINEの方が気軽にいけへん？

元気〜？みたいに。」



「、、、もう今更無理。」



う〜ん、って言いながら神ちゃんは解決策を考えてくれているけど、ないよ。そんなの。



「淳太らしくない。無理、無理って。

バイト中とかで出られへんかっただけかもやん？

そうや！オレをダシにするとかは？

レンタル彼氏に興味ある友達がいて〜、とか！」



「神ちゃんをそんな風に巻き込めんよ。」



そう。そもそも連絡してどうする？苦しいだけ、ただの友達としているのも。



忘れるに限る。



「淳太、気分転換にランド、行こうや！！

ハロウィンのイベント！！」



って誘ってくれたから神ちゃんと遊びに行ったり、秋限定スイーツを食べに行ったり。



残り少ない大学生活を楽しんでる。



深呼吸をすると鼻の奥に感じる冬、マフラーにコート、この時期は大好きな季節だ。



本当なら。



神ちゃんに買い物を付き合ってと頼まれて一緒に歩く渋谷の街も、クリスマスに向けてイルミネーションが輝いてきれい。



「あいつ、めちゃくちゃダサくてさ。

マフラーとかの小物一つ渡したところで、お洒落くんにはなられへんねん。」



って、セーターとかパンツ、コートまで物色しているのに付き合うのも楽しい。



なにより幸せを分けてもらってる感じ。



どんな色が似合うか、体格は、性格は、、、神ちゃんの口から出る彼の話を聞いているだけで、なんかほんわか幸せやもん。



晩御飯に焼き鳥を食べながら、神ちゃんに改めてお礼を言われた。



「ほんまありがとう。買い物付き合ってくれて。」



「楽しかったで、ほんまに。

神ちゃんの惚気話、こっちまで幸せになるわ。」

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