きっかけはカラフルな、、、 6

マリンブルー ページ35

バレないように平静を装い、アホな会話をツマミにアルコールが進む。



オレ以外は。



「神ちゃ〜ん、神ちゃ〜ん、、、。」



のんちゃんがスキンシップ多いのはいつものこと。



酔うたら特に。



流星はオレの右でテーブルに突っ伏して寝ている。



「小瀧、酔いすぎ。神ちゃん潰れてしまってるやん。」



シゲが呆れて声かけてくれるも、



「んふふ〜。お前を潰して、今夜は帰さないぞ〜。」



なんて、完璧酔っ払いのダル絡み。



「帰るし。」



って言うたら、体重かけて床に押し倒された。



それだけじゃない。



唇押し付けてキスしてきた。



嫌だ、、、止めろ、、、。



男同士のキスなんて、学生の頃とか罰ゲームで何度もしてきた。



けど、今は嫌だ。



、、、シゲの見ている前で。



腕で押して離れようにもびくともしない。



軽いキスじゃなくて、唇を覆われるように何度も何度も、、、。



こんなことされて抵抗しかできない自分が情けなくて泣けてきた。



さらに、



「小瀧。」



なんて、少し笑っているだけのシゲ、、、。



次はくすぐり始めた。



押さえつけて、脇腹、腰、腹、、、唇は首筋を這う。



「止めて！」



くすぐったさから笑い声になるけど、嫌だ。嫌だ。



「神ちゃん。深夜。声うるさい。」



耳元で囁くから、だったら止めろって思いつつ静かに抵抗する。



シゲと目が合う。



なんとも言えない顔、、、。



呆れた？



男に押し倒されて、キスされて、情け無さに涙するオレの事を、、、。



こんな姿を見られる恥ずかしさ、、、それと、シゲはこの姿を何とも思わないってことを突きつけられた。



「いい加減にしろ！」



怒鳴って、顔でも殴って退かそうと思ったその時、



「止めろ。小瀧。酔い過ぎやろ。」



シゲは小瀧の身体を羽交い締めにして離してくれた。



息を整える。涙は、、、手で拭う。



「ほな、オレら帰るから。

流星寝てるから泊めたってや。

神ちゃん、行くで。」



助かった、、、助けてくれた、、、。



シゲの口調からは怒りが滲んでいる気がする。

マリンブルー→←マリンブルー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す