きっかけはカラフルな、、、 6

マリンブルー ページ33

口を開けば余計ことを言いそうやったから、それ以外は言えない。



「のんちゃん、酔うてたし、、、。」



酔うてたから何？



酔うてたからキスさせるん？



あのままオレが一人で帰ったら？



2人がどうにかなるわけでもないのはわかる、頭では。



けど、、、「キスくらい」「男同士で本気でするわけない」、、、男のオレとなんてどうにもなるはずはないって言われているみたいで、、、。



オレの気持ち、、、神ちゃんにキスしたい、それ以上になりたい気持ち、、、蓋してたもんが全部溢れ出す。



怒りとなって。



「神ちゃん、アホやな。

同じ男やん。抵抗せえや。」



ムッとしたやろ？



「のんちゃん重いし、酔うてるし。無理やろ。」



声が少し拗ねてる。



いっその事、怒らせて嫌われたい。



いや、怒らせたくもないし、嫌われるのは怖い。



さらに続けられた言葉、、、。



「男同士やんけ、、、別にキスくらい、、、。」



全身の血が沸騰したかのように頭に血が上る。



「キモっ。」



振り返って出た一言に、神ちゃんの表情は直ぐに変わる。



怒りに震えた顔。



「シゲには迷惑かけてへんやろ。」










ごめんと声をかける勇気もないまま3ヶ月が過ぎた。



なんて声かけんねん、、、。



会社で見かけて最初のうちは、一瞬目が合うこともあった。



けど、最近は完璧無視。



流星達には適当に誤魔化す。



季節は春から夏に移ろいで、絶望と共に投げやり、自暴自棄な気持ちがオレの心を占める。



今日告白してきた隣の課の子、、、えっと、、、愛佳ちゃんやったっけ？と付き合おうか、、、なんて思ったり。



「重岡、戻りました〜。」



外回りから帰って、鞄の中身をデスクに出す。



あまりにも外が暑かったから、汗が止まらない。



タオルで顔や首を拭きながら、ファイル、ペンケース、、、と置いて、最後、携帯を手にした時驚きのあまり落としそうになった。



丁度震えたからじゃない。



画面には神ちゃんの名前。



なんで？



何か用事があってかけてきてくれた？



久しぶり、、、謝ろう、、、けど、なんて？



神ちゃんからかけてきてくれた電話で謝んの？情けな。



一瞬で色々考えたけど、通話ボタンを押す。



「、、、もしもし、、、。」

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