きっかけはカラフルな、、、 6

マリンブルー ページ20

そう言って腕を解き、携帯でかけるも繋がらない。



何度か繰り返したところで、背中に抱きついてきた。



「彼女さんのことはいいじゃないですか、、、。

私、ずっと前から重岡さんのことが好きなんです。

私と付き合ってください。」



いやいや、、、この状態でようそんなこと言えるな？



オレは彼女、花音と、、、と言いかけたところで気付く。



「自分、受付の子、やんな、、、。」



「え？知っててくれたんですか？うれしい！」



「いや、、、彼氏おるんやろ？神山、、、とかっていう。」



「え〜、そんな情報まで〜？

でも、それは過去のことです。もう別れてるんで大丈夫です。

少しだけ付き合ったんですけど、重岡さんに一目惚れしちゃって。」



口から言葉が出るたび嫌いになるわ、この子のこと。



甘い、甘い、、、甘ったるくて吐き気がする香水。



耳ん中が痒くなるような喋り方。



「ごめん、離して。」



自分でもびっくりするような冷たい声が出た。



流石に彼女も腕を解き、一歩下がった。



振り返って続ける。



「オレは君と付き合うつもりはない。

こんなんされて迷惑やし。

どうする？この部屋、君が泊まってくれる？5万な。」



オレが部屋を出ようと一歩歩き出したところで、



「もういいです！！

失礼しました！！」



そう叫んで彼女は荷物を持って出て行った。



バタンと大きな音を立てて閉まる扉を見つめたまま、しばらく動けなかった。



『花音、今どこ？』



打ちかけたところで止める。



フラれたんよな、、、オレ、、、。



彼女と待ち合わせの部屋行ったら、知らん女の子がおって告白されるって、、、そんなんドラマの設定やんけ。



腹立ってきた、、、。



プレゼントは用意しなくて正解。



よかった。結果オーライや。



ホテルは、、、仕方ないから満喫してやる。



調べたら、ホテル内にジムとサウナがある。



ジムで動いてサウナで汗かいて、、、さらに金払ってんのに、なんかスッキリした。



ええホテルの施設、流石やな、って。



ホテルのレストラン行ってもよかったけど、適当にルームサービス頼んで、夜景見ながらビール飲んで、でっかいダブルベッドで大の字になって寝てやった。



最初からどうせオレが払う予定だった宿泊料やし。



朝目覚めた時、予想以上にスッキリしてて、ベットの上、1人笑けた。

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