タンジー ページ8
緑
重岡さん、風邪治っただろうか。
重岡さん、奥さんと離婚話、できただろうか。
重岡さん、、、。
アホやな、オレ。
あれから1週間、1ヶ月、2ヶ月、、、季節は冬になっても、頭の中からは重岡さんが抜けない。
なんなら、重岡さんを尾行していた期間よりずっと長い月日が流れてるのにな。
世の中がクリスマスで浮かれるこの時期は、不倫調査も多い。
クリスマス直前の金曜日の今日もこの後、照史と2人で向かう予定だ。
「また今年もシングルベルやわ、神ちゃん。」
「照史、その言い方めっちゃ昭和。」
「だってさ、この仕事してたらな、休みも不定期やしな、そもそもまず出会いもないしな、友達の紹介いうてももうみんなパートナーおる感じでコンパしようぜ!ともならんしな、一人暮らしのスペシャリストのオレとオレがストレスなく一緒に暮らせる子なんて簡単に見つからんわけなんよ!?わかる?」
「はいはい。照史、今日の依頼さ、」
コンコン、、、事務所の扉がノックされる。
依頼者さんかな?
「は〜い。」
持っていた資料を置いて、入口に向かった。
「はい。お待たせし、、、。」
「やっと見つけた。」
「いらっしゃいませ。どうされました?」
固まるオレの背後から照史が声をかけている。
オレは動くことができずに、俯くだけ。
重岡さん、、、だ、、、。
どうしよう、、、どう言い訳しよう、、、重岡さんについた嘘の数々がここにいては全部バレてしまう。
だって、今照史がオレの名前を呼んだらもうアウト、、、一つ嘘がバレる。
「帰ってください。」そう言って重岡さんを事務所から出そうとした時だった。
「すみません。彼、今日この後連れて行っていいですか?」
照史に尋ねた。めっちゃ明るく大きな声で。
照史は何のことかわからないといった感じ。
「まぁ、、、仕事があるっちゃあ、あるんですけど、、、。」
「重、」
「じゃあ、いいですか?ごめんなさいね。
荷物、取ってきて。
お忙しいところ我儘言うて。失礼しました。」
「いえいえ、、、。」
従うしかない。
鞄を持って扉に向かう、、、照史の視線も怪しんでいるというか不思議そう。
「じゃあ照史、ごめんな、、、この後の。お先に。」
重岡さんの後をついて、階段を降り表に出る。
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奏多(プロフ) - まさかさん» まさかさんの赤緑が好きすぎて何度も読み返しています。これからも更新楽しみにしています💚 (2023年1月5日 22時) (レス) id: 6198bdee62 (このIDを非表示/違反報告)
まさか(プロフ) - 『タンジー』を気に入ってくださっているということは、赤緑好きさんですよね?私も赤緑が一番好きなので、ついついお話も多くなります。似た話になっていそうで心配ですが、これからもよろしくお願いします!!赤緑沼は深い〜!! (2023年1月5日 20時) (レス) id: 228009e50a (このIDを非表示/違反報告)
まさか(プロフ) - 奏多さん、ありがとうございます!新年早々、ありがたいお言葉、、、(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)あれやこれや、思いつくまま書いているので、続編も思い付いたら書けるといいな。 (2023年1月5日 19時) (レス) id: 228009e50a (このIDを非表示/違反報告)
奏多(プロフ) - まさかさんのお話が大好きすぎて何度も読んでます。いつかタンジーの続きが読みたいです。 (2023年1月5日 17時) (レス) @page14 id: 6198bdee62 (このIDを非表示/違反報告)
まさか(プロフ) - stcさん、ありがとうございます。昼寝から起きたらこんな恐れ多いメッセージ、、、。私、文芸部とかでもなかったし、一番得意科目は数学だった女なので、語彙力も文章力も白旗上げつつ書いている、ただの妄想オバさんです。一緒にニヤニヤしましょうね〜!! (2022年11月19日 15時) (レス) id: 228009e50a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まさか | 作成日時:2022年8月12日 10時